サラダにトマトを添えて (ページ3)

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□私を攫った王子様＃3 ページ3

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「京本くーん！私を攫ってぇ〜！」「京本先輩〜！！」「ぜひ私を〜！！」などなど、私たちは一体何を見せられているのか。

でもまぁ、こういう事をしている時が楽しいんだよな。声デカくてうるさいけど。

『青春だなぁ』

「あんたはババアか」

『かもねぇ』

果たして先輩はどの子を連れていくのだろうか。というかそもそも女の子を選ぶとは限らないし、なんなら男子を連れていきそう。

仮に女の子が選ばれたとして、その子がこれから平穏に学校生活を送れるだろうか。答えはノーである。

なぜなら、女の嫉妬ほど怖いものはないからだ。学校中から羨望、嫉妬、嫌悪の感情を向けられるだろう。それはごめんこうむりたいと思うのが普通だと思う。

そうなってでも、先輩と関係を持ちたいと思う女子は多いだろう。まぁ私には関係ないが。

「「「ギャアアアアア」」」

『え、なに、とうとう死人でも出た？』

「………マジか」

『ガチで？？？』

うそ、まじで死人出たの？やばいじゃん、救急車呼ばないと！！なんて騒いでいたら、うるさいって怒られた。はい、ごめんなさい。

『じゃあなにさ、この悲鳴は』

「……来る」

『誰が』

「先輩が」

『……ほぅ』

だからなんだ。

ただ単にカードに書いてある条件に合う子がいたってことでしょ？別に何も変じゃないじゃん。

ここにいるのは女の子ばかりだし、先輩に選ばれたのは女の子か。よかったね、その子。

「ちょ、もう一回立て！」

『なんでよー』

「いいから！！！！」

本日二回目、また無理やり立たされた。

そして、顔を正面に向けると、先輩の姿が目に入った。親友の言う通り、こちらに向かって走ってきている。そこまではいい。心做しか、私の顔をガン見している気がする。

なぜ？？？？？？？

困惑する私を待ってはくれず、女子生徒の波をかき分けて、私の前に来た先輩。ひぇ、顔超綺麗なんだけど。

「………一緒に来て」

『え、いやです』

女子の目線が怖くて思わずそう言ってしまった。やべ、と思った瞬間親友に頭をぶっ叩かれた。くそ痛い。

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