サラダにトマトを添えて (ページ6)

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□きっかけは突然に＃1 ページ6

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『…………は？』

今日も今日とて代わり映えのない学校生活を終え、我が家に帰宅。高校生って中学生よりも毎日の課題は少ない気がする。でも、教科がアホみたいに多いから、毎日少しでも復習しないと私のバカな脳みそは大変なのだ。

だから、自分の部屋で少しくつろいでから、勉強をしようと机の脇に置いたリュックサックを手元に引っ張った。私ってば毎日偉いわ、と心の中で自画自賛をする。じゃなきゃやってられない。

そんな時だった。ほぼ毎日見ている数学の教科書。それが二冊入っていた。

『(……………うそ、違う人の？)』

二冊あるってことは、それしか考えられない。誰のだろう、と教科書を裏返すと、綺麗な文字で「京本大我」と書かれていた。

『京本大我？！？！』

予想外の人名に、一人部屋で大声を出す。

京本大我とは、同じクラスの男子だ。眉目秀麗、成績優秀で女子から絶大な人気を誇る。運動は苦手なようだが、そのかわいいところがギャップだと女子が騒いでいた。

同じクラスだけど、話したことはない、そんなひと。

『(えぇ…なんで………)』

席が近いわけではないから、私のリュックに入っていたのが謎である。いやマジでなんで入ってんの？

……あれ、まてよ。そういえば、今日出された数学の課題って、教科書使わないとできないやつじゃないか？

『あ''ーーーーー！！！！』

やっばいやらかした！！！！！！！！

課題がなかったら明日の朝、京本くんの机の中に入れておけばいいやと思っていたが、それはもう出来なくなってしまった。なぜかというと、単に京本くんに対して負い目が生まれてしまうからだ。

いやだ……京本くんが課題できなかったのが私のせいとか絶対いやだ……。

『どうすればいいと思う？！』

「どうもこうもない、明日直接返せ」

パニクった私は、とりあえず友達に電話をかけた。

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