キイロとクロ7 (ページ48)

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夏休みも終盤に差し掛かったある日

久しぶりに廉くんと遊ぶ前日のこと

ピカッ！ドドーン！

窓の外は激しい雷雨の様子だった

「うおっ、雨やば、、、」

どんどん激しさを増す窓の外を眺めていると、携帯がブルブルと振動した

「海人、どうしたの」

『Aちゃあああん、家の鍵忘れたから部屋入れて～～～』

悲痛の叫びのような海人からの声を聞きながら、そのまま玄関の鍵を開けた

「鍵開けといたよ」

『ありがとう泣』

するとすぐに入ってきた海人

「ええっびしょ濡れじゃん！」

目の前に立つ海人は全身ずぶ濡れで、片手に持つ本もかなり濡れている

『ちょこっと図書館行っただけなのに、こんな雨降ると思わなくって、泣く』

雨に打たれると必ず風邪を引いてきた海人のことだから、私は急いで洗面所からタオルを持ってきた

『あれ、ママパパは？』

「んー、今どっか行ってる」

『ふうん、てか、さむっっっ』

「ほら、タオル、体拭いてお風呂入ったら？」

『うん、ありがとう～～まじAいなかったら死んでた、さっき母さんたち旅行行ったの頭に入れてなくて、、、』

差し出したタオルでぱっぱっと体を拭く海人

『雨やばくない？全然拭けないし、、、』

「頭拭かないと意味ないでしょ笑、貸して」

海人の手から半ば強引に奪ったタオルを持ち、背伸びをして海人の髪の毛に手を伸ばした

「髪の毛先拭かないと垂れちゃうじゃんねー、カイくん」

すると次の瞬間、海人のひんやりと冷たい手が背中に回った

「えっ」

思わず手を引っ込め、かかとを床につける

すると濡れた髪の間から見える海人の瞳、その瞳は私を離そうとはしなかった

何秒見つめあっていたかはわからない

我に帰った私は咄嗟に体を引き、その反動で背中に回る彼の手も離れた

『、、、タオルありがとう、部屋でシャワー浴びるね』

そのまま海人は私の部屋のベランダは勢いよく飛び出て、自分の部屋に戻って行った

「びしょ濡れ、拭いた意味ないじゃん」