キイロとクロ7 (ページ5)

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明日香「アーーー！A！だめ！チョコに水入れるとか有りえないから！」

「だって、濃くない？薄くしたいじゃん」

明日香「本当、今触んないで、何にも」

「ええ～明日香～」

明日香「うるさいうるさい」

『んははっ！！！』

さっきからAの家のキッチンで繰り広げられる二人のやりとりに僕はただ爆笑していた

「海人、部屋戻って」

『なんで？』

「わざわざここにいなくていいでしょ」

『二人が面白いからここにいたいのー』

明日香「もう交代してよAと笑』

『名案なんだけどね』

「もう～～～」

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なんとか作り上げたチョコレートを片手に帰宅した前田

『どうせあれ岸くんに渡るんだろうな～』

「そうだね笑」

『付き合わないのかな』

「んー、そろそろかなあ

てか、みて！でけた！」

Aは僕に目をキラキラさせて手に持ったチョコレートを見せた

『ふふっよかったね、良く頑張りました』

そう言って頭を撫でると、''バカにすんな'’ってスネを蹴られた

『だーーーっっもう、本当にやめて！』

「海人がバカにするからだもん」

『してないのに～～～

てか、明日部活あるけど、いつ渡すの？』

「んー？部活の後だよ」

『ふうん、待ってるんだ』

「公園で待ち合わせてるから一回家帰るけどね」

『公園？』

「うん、丘の公園」

丘の公園？

『え、廉知ってるの？場所』

「うん？知ってるよ、とっくのとーに」

鼻歌を歌いながらチョコを大事そうにしまう彼女

あの公園は、僕らだけの場所だと思ってたのに

そうじゃなかった？

当たり前のように言った彼女の発言と、その少し浮かれた行動に今までにない嫉妬心とイラつきに駆られて、まるで僕じゃないようだった

「海人？」

『…帰る』

「へ？」

『…』

そのままスタスタと去る僕にAは少し驚きながら、また明日ね、なんて言った

もう

追っかけてよ

そんなことされる資格なんてないのわかってるけど

なんで僕はこんなに寂しいんだ