キイロとクロ7 (ページ12)

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「そろそろ帰ろっかね」

『えー、もう？』

「何時間このカフェにいるの笑」

あまーいスイーツを食べ終わった後も、海人はオチのない話を延々して、最近撮った岸くんの面白い写真を見せてくれたりと、なんだか忙しなくて

逆に私も喋りすぎるくらいに色々話して、気がついたら何時間も経っていた

『なんか時間経っちゃったからもう一個食べれるな、なんか』

「…」

『あ、同じこと思ったでしょお』

海人はニヤッと私に笑いかけて、思っていたことと同じことを言うもんだから、小っ恥ずかしくなった

「ダメダメダメ、太る」

『いいじゃん、太っても可愛いし、食べようよ』

「んもお、夜ご飯たべれなくなるもん」

『確かにね』

「そろそろ帰ろっ」

私がカバンを持って立ち上がろうとすると、

『じゃあさ、公園行こうよ！』

海人は目をキラキラさせて、立ち上がった私に言った

「うん、いいね、久々だね」

バレンタインの日、廉くんもあの公園の存在を知っていることを何気なく言ったとき、海人の顔色がすぐに変わったのには気がついていた

私にとって大切な場所で、なんだか二人だけの場所だと思い込んでたけど、海人もそうだったのかななんて思ったら嬉しくなった

けど、大切なものは大切な人にも共有したいものだもん

廉くんがあの場所を知ったのだって、元はと言えば、海人のせいだよね