キイロとクロ7 (ページ40)

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夜遅くに来た連絡

''海人とちゃんと話したよ、明日の朝会える？''

あぁ、振られるんか

結局あの2人には敵わない、そう思い知らされるのか

あんな一丁前なことを海人に言った俺が、かっこわりぃななんて考えていた

次の日の朝

扉を開けると、誰もいない教室に1人ぽつんとAが座っていた

【A】

振り向く彼女はここ数日よりも少しだけ顔色が良くて

清々しい気持ちになったのか、と俺らしくない思考回路を朝から繰り広げていた

隣の椅子に座ると、Aはくるっとこちらを向いて、膝に手をぎゅっと握りしめて口を開いた

「、、、昨日、話したんだ」

【おん】

「やっぱり、私【ちょ、ちょっと待ってや】

「へ？」

気持ちの準備ができなくて、思わず止めた彼女の言葉

するとAは少し焦った様子だった

「あっ廉くん、違くて、その、廉くんが考えてるのと違くて」

【待ってごめんAのことめちゃくちゃ好きやから、ちょ待って、】

柄にもなく早口で焦る俺にAも更に焦る

「ちょっと、本当に聞いて！」

こんな強引な振られ方しなあかんのか

【、、、はい】

「私はやっぱり、今廉くんといたいって思ったの」

【、、へ？】

「海人と話した、好きって言われて戸惑った、だけど、今は廉くんといたい

不安にさせて、ごめんなさい、本当に

海人は大事な幼馴染み。

廉くんは、大事な彼氏だよ」

【ほんまに？】

「うん」

思わずギュッと小さな体を握りしめると、背中に回された手

「ごめんなさい、本当に」

【いや、ごめんな、ありがとう、ほんまにありがとう】

「ううん」

【好きやからな、A】

「うん、わたしも好きだよ」

少しだけ震えるAの声

その震えが何を意味するのか、そんなこと今は考える必要はなくて

情や愛着といったものであっても、今は彼女が俺の元にいてくれるだけで、それだけでいいと思ってしまった