キイロとクロ7 (ページ35)

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数日後

あの日の廉くんの言葉と表情が脳裏に焼き付いて、自分が辛い思いをしたくなくて避けてたことで廉くんをその何倍も、何十倍も苦しめていたことに気がついた

そんなことを考えながら帰宅したと同時に、携帯がピコンと音を鳴らした

''部活の後、部屋行っていい？''

海人からのメッセージに、私はうん、とだけ返事をしてベッドに横になった

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数時間後、帰宅した海人は私の部屋にいつもの様にやってきた

ちゃんと話をしよう、そう思っても

2人の間に流れる居心地の悪い不穏な空気を感じると、すぐに逃げ出したくなった

「、、ごめん、やっぱ」

そう言ってベッドから立ち上がると、海人は強い力で私の腕を引っ張って立ち去ろうとする私の行動を阻止した

『A、行かないで。
前みたいに、なかったことにしたくないんだって、、っ』

「、、、ごめん、無理」

『ちょっA、避けんなって、、！』

「避けるよ！避けるに決まってんじゃん！
どうしろって言うの？
突然あんなこと言われて、返事するようなことでも無いじゃん、付き合ってなんて言われてないし」

私の中の何かが爆発したかの様に、涙がボロボロと溢れた

海人は力を弱め、そっと私の腕から手を離した

『、、じゃあ付き合ってって言ったら、Aは返事するの？』

「へ？」

『なんて返事するの』

「、、、」

『、、、どうなんだよ、、』

「、、断るよ。
海人の気持ちには応えられない、廉くんがいる」

『、、、』

「、、、お願いだから、もうやめようよ、、

変な風にはなりたくないんだって、、、」

海人は大事、廉くんだって大事

もう何にも惑わされたくない、揺れたくない

『、、、逃げたいわけじゃ、ないよね』

やけになっている私を見透かすかの様な質問と、その瞳

「、、、」

『廉が、好きなんだよね』

そのまま頷くと、海人はまた私の手をゆっくりと取り、今度は優しく自分の手で包み込んだ

『A、嘘ついてないよね』

海人の瞳を真っ直ぐに見つめると、海人の瞳はゆらゆらと揺れた

「ついてないよ」

『、、、わかった』

海人はそう言うと、優しく、そして少し力なく微笑んだ

嘘なんか、ついてない。