キイロとクロ5 (ページ37)

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「あっ、今日文化祭の準備するからさ、一緒に帰ろうよ」

【おっまじか、ええな】

「終わったら待ってるね」

【ん、部活頑張っちゃおーっと】

「ふふ笑」

【なんや】

「んーん、可愛いね」

【は？馬鹿にしてんの笑】

「褒めてるのー」

【Aのが可愛いやろ100倍】

「そういうこと言ってるんじゃないの笑」

【何、どゆこと？】

「もういいよ笑」

【あっおい、諦めたやろ、もらっちゃうもんねー】

廉くんはそう言うと私のお弁当に入っているだし巻き卵をヒョイっと箸ですくい上げて、自分の口の中に入れた

「ああ！！！」

【なんよ】

「卵…」

【じゃあもう一個】

またまた意地悪な廉くんはもう一つのだし巻き卵を奪っていった

「だーーー！」

私は座っていた態勢から勢いよく膝を前に出し、身を乗り出してだし巻き卵を奪う廉くんの手を追った

【うをっ】

あまりにも急に身を乗り出したせいか廉くんは驚き、私もバランスを崩した

すると廉くんは目の前で膝立ちをする私の腰に手を置いた

【危ないって、暴れんな】

廉くんはそう言うと、少し後ろに倒れた体を私の腰を支えながら前に戻し、私の顔を見上げて少し困った様に、口角を上げて笑った

「/////」

【近いね】

「…う、うん」

たとえ制服の上からだとしても、廉くんのゴツゴツとした手を感じると少し体が熱くなった

それに私を見上げるこの顔、いたずらそうに笑う廉くんに私は動けずにいた