キイロとクロ5 (ページ24)

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岸「はぁ、本当廉やんなっちゃうよ～」

肩を落とした岸くんが私と明日香の近くの椅子にどかっと座った

明日香「なにが？」

岸「見て、あれ」

岸くんが目線を向けたのは、教室の入り口に立つ可愛らしい女の子と、その子と喋る廉くん

すると少しして2人は同じ方向へと歩き出した

岸「しかも知らない相手らしい」

「うわ、、、すごいね、モテるね」

明日香「漫画の世界だわ笑」

岸「ほんとだよ」

明日香「断るのかな」

岸「いや断るだろー、だってあいつ本城しか見えてないじゃん笑」

「えっ」

明日香「まぁ、そうだね笑」

岸「どう？最近、廉と」

「んー、、、なんだろう、わかんない、、笑笑」

明日香「Aちゃんは焦らなくていいのよ」

明日香が私の頬を両手で包み、そんな優しい言葉をかけてくれた

実際わからないのが本当

「岸くんはどんな時に好きってなる？」

岸「ぶはっ」

私の唐突な質問に驚いた岸くんは勢いよくむせた

岸「ゴホッゴホッ」

明日香「何動揺してんの笑」

岸「別にっ笑」

「明日香は？」

明日香「Aも好きの感情なんて痛いくらいわかってるじゃない」

「んー、、、でも」

岸「俺は、誰よりもその子のこと知りたいとか、自分に知らない顔とか他の人に見せてんの想像すると嫌だなぁとか思うわ」

明日香「急に真面目に答えるね笑」

岸「おう！」

岸くんはニカッと笑って

そのタイミングで帰ってきた廉くんの元に戻って行った

「だって、明日香」

明日香「なに笑」

「岸くん、いいんじゃない？」

明日香「Aまでやめてよ～」

「大事にしてくれそうだけどな」

明日香「自分のこと考えなよ笑」

私は明日香の言葉とともに教室の向こう側にいる廉くんに目を向けた

他の人が知ってて、私が知らない廉くんかぁ

さっきの女の子とか？

私があまりにも凝視し過ぎたせいか、廉くんもこちらに気付いて

キョロキョロ周りを見渡した後、自分を指差して口パクで「おれ？」って言ってきた

焦ってぶんぶん顔を左右に振ると廉くんは少し困ったように優しく笑った

　