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使っていなかったその連絡先は、携帯のだいぶ奥にしまわれたまま





...いいよね。





半ば決心した気持ちでその連絡先に着信をかける





今向こうは何時だろう





そんなこと考えもせずに先走った僕の指






3度目のコール音が響き、諦めたその時






「...もしもし」






『あっA!?』






君の声を聞いて、思わず叫んだ






「んふふふふ、私しか出ないよ笑」






僕の愛おしいその声で、君は笑った






「久しぶりだね」






『うん、元気にしてた?』






久しぶりの君には、話したいことがたくさんあったんだ






少ししてAは、小さく言葉を漏らした






「...声、聞きたかったんだ」






『掛けてくれれば良かったじゃん』






「...わかってるでしょ」






わかってるよ、僕だって君の声を聞きたくても






掛けなかったんだから






「そういえば、なんかあったんじゃないの?」






本題を忘れて話し続けた僕は、やっとAへの報告を思い出す





『あぁ!!!』





「忘れてたんかい〜笑」





『あのね、A、会いに行くよ!』

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作者名:しろくま | 作成日時:2021年2月26日 1時

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