僕らのこと-2- (ページ50)

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「ずっと、色んなことを考えててね。
でも、考えすぎて、よくわからなくなっちゃって」

『....うん』

「だから、今の気持ちだけ伝えるね、

紫耀くん

あなたのことが、たまらなく好きです」

『へっ...』

「離れることで色んなものを守れるって思ったから、私は3年前に紫耀くんにさよならをしました。

だけど、私の気持ちは全然きっぱりしてなくて、どんなに忙しくても、紫耀くんのことが思い浮かびます。

紫耀くんのことがすごく大切なの、ずっと。

美味しいものを食べた時とか、綺麗な景色を見た時に、紫耀くんの笑顔が浮かぶ。
紫耀くん、無理してないかなぁって心配にもなる。

そんな単純なことだけど、きっとこれは好きってことで

あなたが、私より大切な存在だっていう証拠だと思う。

紫耀くんがどう思ってるのかはわからないけど、私は、今こんな勝手なことを思ってます」

Aから発せられた言葉の一つ一つは、僕の心を優しく温めると同時に、抑えられない想いを加速させた

「...何回もさよならしたけど、もう

さよならしたくないんだ」

そう言ったAの横顔は月に照らされ、瞳から流れた一筋の涙はキラリと光りながらその頬を伝った

『...』

言葉を発しない僕の様子に、Aは不安げな表情を浮かべて、俯いた

『俺は』

「....うん。」

『俺は、17の時から、ずっとその気持ちだよ。

Aにはずっと笑っていてほしいし、そうさせるのは俺がいい。

泣きたい時は、そばにいたい。

...俺らって、同じ気持ちだよね？』

Aにそう問うと、唇を噛み締めてゆっくりと頷いた

僕はその姿を見て、自然と笑みが溢れた

『俺も、好きだよ、すげぇ好き。

一緒にいよう。』

そう言うと、また一筋の涙を流すA

そんな彼女に一歩近づいて、頬に流れた涙をそっとすくう

『んふふ、泣き虫』

「...っだって...っ」

『ほら、おいで』

僕が両手を広げると、Aは勢いよく僕の胸に飛び込んだ

今度は、

今度こそは、

絶対に君を1番近くで守るから。

僕はこの日、そう誓った。