キイロとクロ (ページ36)

今日:6 hit、昨日:9 hit、合計:77,503 hit

35 ページ36

【そいやさ、】

「なにー？」

【本城はさ、海人のことどう思ってるん？】

「海人？」

【好きなの？】

「へっ」

突然の言葉に動揺したAは、歩いていた段差を踏み外した

「わわっ」

廉は開いている方の手でAの腰を支えた

【ちょ、大丈夫？】

Aが見上げると、至近距離に心配そうにする廉の顔があった

「///」

こくん、とAは頷くと慌てて廉から離れた

「ごめんっ、ありがとう、怪我するとこだった笑」

【あっう、うん、せやな、よかった】

気まずそうにした廉はAの腰から手を放して自分の頭を掻いた

「…あのね」

【ん？】

「質問の答えね、別に、好きではないよ」

【ああ、】

「一緒にいすぎてわかんなかったときもあったけどね笑

でも今は、そりゃ幼馴染で大事だけど、恋愛として好きとかじゃないかなあ、てかそんな姿、想像できないな笑」

【そうなんや、ごめんな、なんか変な質問して笑】

「いや、よく聞かれるもん、そりゃ思うよね笑

廉くんは？」

【俺？】

「好きな人とか、いるの？」

【いや、おらんよ】

「え、そうなんだ、なんか意外だなぁ、モテるからてっきり一人や二人いるのかと笑」

【1人や2人ね笑】

「ごめん笑」

【彼女とも高校入ってすぐ別れちゃったんよね】

「あっそうだったんだ、告白いっぱいされたでしょおお」

【んん、まあ、なあ】

「否定しないねえ笑」

【やめろや笑、でも、本当に好きになった人としか付き合えないな】

「…一途なんだね、廉くんは」

【意外みたいなこと言うなや！笑】

「ふふっ」

そしてAはマンションの階段の前で止まった

「ここ、階段の上までダッシュで勝負しよう！」

【へ！？急やない？】

「うん！行くよ、よーい、どん！」

【おい！】

そう言って二人は階段を走った