キイロとクロ (ページ29)

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廉が職員室から戻って来て

事情聴取ってことで、Aが呼ばれた

『A、その格好でだいじょうぶ？』

乱暴に扱われたため、シャツのボタンはいくつかなくて、はだけてる姿に海人は心配した

「だいじょうぶだよ、ブレザーあるし、ありがとうね」

そう言ってずっと繋いでくれていた手を離して、職員室へと入った

『…廉、ありがとうね』

【へ？いや、もっと早く行ってあげたら、な…】

『俺のせいだな』

【いや、海人のせいじゃないやろ】

『元は、俺、じゃんね…』

今にも泣きそうな顔で海人は言った

【…そんなんしゃあないやろ】

『はあ、せめてもっと早く守ってあげれたらな、』

そこで廉は口を開いた

【…こんな時にさ、聞くようなことじゃないのはわかってんけど】

『…何？』

【海人はさ、本城に対して、普通じゃないよな】

『どういうこと？』

【ただの幼馴染なのかなって、好きなんじゃないかって、たまに、見て思うねんけど…】

海人は優しく微笑んだ

『好きだよ、Aは俺にとって本当に大事で、小さい頃から側にいて、わかってるんだよね』

【ほんなら、その好きって…】

『ふふっ、恋愛としてじゃないよ、ただ…』

【ただ？】

『俺が側に、いてあげないと、って思う』