キイロとクロ (ページ26)

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ガラガラ

「あのー…」

重たい体育倉庫の扉を開けても、無人の空間

「あれ、いないのかな」

男「あっ、Aちゃん！来てくれてありがとう！」

初めて見るその人は、扉から入りながらそう言って来た

「えっああ、、、えっとー…」

男「俺、松永コウキです」

初対面のその人は、微笑みながら後ろの手で扉を閉めた

ガチャ

え、今、鍵閉めたよね…？

「いや、え、ちょ」

松永「俺、Aちゃんのこと最初知らなかったんだけどさ

みんながあの高橋海人の幼馴染だって騒いでたから、

一目見て、めっちゃ可愛いじゃん！って思って！」

一人喋り続けるそいつは、どんどん私に近づいて来て

「いやいや…」

身の危険を感じて、後ずさりしたけど

ガタっ

後ろのマットにつまずいて

倒れた私

男「えっ大丈夫！？」

急にしゃがみ込み、私に近づく彼は

肩から、足まで、撫でるように触って来た

「やっ…やめ…！」

怖くて声も出ず、ただひたすら気持ち悪くて

泣くしかなかった

男「ちょ、泣かないでよ！まじで好きなんだって」

「やめて、本当に…お、ねがい…」

松永は私のシャツに手をかけて、ボタンを外して行った

ああ、海人とアイス食べて帰るんだった

なんて、そんなことが此の期に及んで脳裏に浮かんだ