キイロとクロ (ページ25)

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こうして私と海人の名前が知れ渡ることが

悪い方向に動いたのは夏休み目前の日のことだった

『A～いっしょかえろ～』

帰りの準備をしている私にふにゃふにゃとした口調で声をかける海人

「あれ、部活は？」

『今日はオッフだよん』

イェーイ、なんて笑いながらVサインをしてくる

「ああ、そうなんだね笑」

海人と帰るのは久しぶりで、

さすがにアイス日和だねえ、なんて話ながら下駄箱へと向かった

下駄箱を開けた途端

パサッ

『ん？なんか落ちたよ？』

「あれ、何これ」

一通の手紙

中身は

話したいことがあります、放課後体育倉庫で待ってます

『うげえ、何これ』

綺麗な顔をくしゃくしゃにしながらいかにも気持ち悪いと言いたげな表情を見せた

「昭和だな」

『こんなのよくあんの？』

「手紙は初めてかなあ笑」

そう言いながら一度しまった上履きをまた出した

『え、行くの？』

「だって呼ばれてんじゃん」

『いや、誰かもわかんないのに！？』

「でもこの人ずっと待たせちゃうじゃない」

『ええ、僕だったらいかない』

「海人はきりないもんねえ、

先帰ってていいよー」

『…あーい』

海人の尻尾が一気に下がったのが見えた気がする

そして私は体育倉庫へと向かった