キイロとクロ (ページ21)

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丘の上の公園のベンチで

漫画を読みながらぼーーーっと過ごしていた

私は何を考えているんだろう

海人の親でも彼女でもないのに

ましてや逐一報告することでもないのに、

よっぽど沙織先輩を気にしていた自分がいたことに気づいた

そんなことを考えてボーッとしていた時に

『そこのかーわいいこっ！』

「へっ？」

海人がニコニコしながら声をかけてきた

『ここにいると思ったんだあ』

「、、、どしたの、てかみんなは？」

『ん？もう帰ったよー』

そう言いながら隣の空いているスペースに腰をかけてきた

『バレちゃったけどさ、みんなと話せて良かったんじゃない？』

「なあに、親みたいなこと言って」

『これでもAのこと心配してんだけどねー』

「えー、そうなのパパ」

『そうじゃよ～、早くみんなが本当のAに気づいてくれたらなぁなんて思ってるの、それに俺がずっとそばで守ってきたからね』

「…これからは？」

『ん？』

「…これからも、側で、守ってくれるの？」

自然と出た言葉に自分でもびっくりしながらも

隣にいる海人は私を見つめて微笑んだ

『当たり前だよ。』

「……」

『…言って欲しかった？』

「え？」

『沙織先輩のこと』

海人は目の前の桜を見ながら言うから

髪の毛から覗くキラキラしたピアスが光を反射して少し眩しかった