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【…】 ページ34

ーーShoma sideーー


Aを抱きしめていた腕を解き、Aを2つ隣の空き部屋まで案内する。

この短い距離でさえ、手は離さない。


それだけ今の彼女が心配でたまらない。


「もしもなんかあったら言ってね、すぐ2つ隣の部屋にいるんだから」

『うん…ありがとう』



そう言って繋いでいた手を離し、扉が閉められる。


その後しばらくそこを動けずにいた。

Aの辛さをすべて俺が理解することはできない。人間だから。

果たして俺には何ができるだろう…


自分の無力さを感じながら自室に戻りベットに体を沈める。

目は閉じているが起きている。

こんな状況で寝られるわけがない。


そんなこんなで夜が明けた。

何故だろう…俺はいつもは見ないはずのテレビをつけた。

そこに広がった光景は俺にメディアの脅威をまじまじと見せつけるのだった。


目を奪われているとノックの音。


急いでテレビを消して扉を開けた。


ーーYour sideーー

軽くノックをすると、もう全てを悟っているような顔をした昌磨が目の前にいる。


『昌…磨…』

「A...」

『テレビ…見た?』.

昌磨は黙って下を向く。

それが何よりの答えだ。




昌磨の部屋のテレビをつけると、そこに映ったのは…






「フィギュアスケート、飛鳥Aの両親事故死」

「世界女王にまさかの悲運」

「フィギュア界の美少女に立ちはだかる試練」

「飛鳥A、両親死去 その時何が」





世間は両親の事故で賑わっていたのだった。

言葉を失う以外になかった。

どこから情報を手に入れたのか…恐怖しかない。

昌磨はただひたすら私の肩を抱き、

「…大丈夫」

と遠慮がちに言う。

大丈夫じゃないのは昌磨も分かっているからであろう。

テレビを消して、昌磨に問いかける。

『現実は、ゆっくりさせてくれないみたいだね…』

「……...俺が守る」

『えっ…』

「無責任だって…口だけだって思うかもしれないけど、俺が絶対にAを守る。」

『昌磨……』

「絶対なんて無いって言われたらどうしようもないけど、俺は自信がある」

『……うん…』





絶対や永遠がないのは分かってる。

でも、昌磨の言葉はなぜか信じられる気がした。

【…】→←【…】



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設定タグ:フィギュアスケート , 宇野昌磨 , 恋愛   
作品ジャンル:恋愛
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紗雪(プロフ) - あやかさん» ご指摘ありがとうございます。直させていただきました。またの愛読よろしくおねがいします。 (2018年4月28日 21時) (レス) id: cc0e0dfa04 (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - FS (2018年4月28日 19時) (レス) id: e75ef3ebbf (このIDを非表示/違反報告)
紗雪(プロフ) - 、さん» ご指摘ありがとうございます。直させていただきました。またの愛読よろしくおねがいします。 (2018年4月13日 16時) (レス) id: cc0e0dfa04 (このIDを非表示/違反報告)
- チャンピョンじゃなくてチャンピオンじゃないんですか? (2018年4月13日 14時) (レス) id: bfe765a139 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紗雪 | 作成日時:2018年4月12日 14時

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