【…】 ページ31
ーーShoma side ーー
母さんや樹もが玄関で出迎える。
連絡は既にしてあったから特に何を言うわけでなく、母さんは優しくAを抱きしめた。
俺と樹は、そこに立って見守る。
Aはただ、母さんに抱きしめられ立ち尽くしている。
母さんが腕を解くと…
『夜遅くにご迷惑おかけしてすみません…』
なんでこんな時まで…
どこまでもAはAなんだろう。
「何言ってるの…Aちゃん…しばらく、ずっといていいんだからね」
そう母さんが声をかけても頭を下げるだけだ。
しばらくしてもう一度手を引き、自分の部屋に招き入れる。
俺はベッドに腰掛け、Aはラグの上に座る。
それからどれくらいの時間が経っただろう。
Aが口を開いた。
『今日、お父さんとお母さんの顔見ずに家出て来ちゃったんだ。 いつもは振り返って顔見るのに、口で受け答えして家を出て来たの。』
「......」
『なんで…いつもみたいに振り返らなかったんだろう。ちゃんと顔見て話していれば…』
「違う、Aのせいじゃない」
Aは必死に首を横に振る
『ううん、あのときもっと違う選択ができたかもしれない、私が今日リンクに行かなければ、今日2人とも仕事だったら、私が、私が…もしかしたら今は現在(いま)じゃなかったかもしれないの!!』
「A...」
Aは大粒の涙を零し、続ける
『守れなかった…小さい頃、お父さんとお母さんに言われたの。Aはこの家の守り神だって、Aがいれば幸せだって…全然幸せじゃない、もうお父さんとお母さんは戻ってこない。もう2度と...』
Aの言葉が止まったのは俺が抱きしめたからだ。
「Aは何も、何も悪くない」
『でも…でも…「でもじゃない‼」
つい強く言ってしまって腕の中でAが少し震える。
「ごめん…、でも違うよ。Aのせいなんかじゃない…Aは何も悪くない。俺は、俺はわかる」
するとAが涙いっぱいの顔を上げ、俺を見つめる…。
俺自身も知らぬ間に涙を流していた。
『しょっ…しょーま…うっ…』
声を抑えながら泣きじゃくる。
それと同時に強く抱きしめる。
この時決めた…俺は一生Aを守ると。
好きだからとかそんな軽いもんじゃない。
同情したわけでもなんでもない。
ただ、涙を溜めた目で見つめられた時に思ったんだ。
俺が何が何でも、命に代えてでも、Aを守ると。
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紗雪(プロフ) - あやかさん» ご指摘ありがとうございます。直させていただきました。またの愛読よろしくおねがいします。 (2018年4月28日 21時) (
レス) id: cc0e0dfa04 (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - FS (2018年4月28日 19時) (レス) id: e75ef3ebbf (このIDを非表示/違反報告)
紗雪(プロフ) - 、さん» ご指摘ありがとうございます。直させていただきました。またの愛読よろしくおねがいします。 (2018年4月13日 16時) (レス) id: cc0e0dfa04 (このIDを非表示/違反報告)
、 - チャンピョンじゃなくてチャンピオンじゃないんですか？ (2018年4月13日 14時) (レス) id: bfe765a139 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紗雪 | 作成日時：2018年4月12日 14時
