You and Me. *Shoma.Uno*

【…】 ページ17

.


.




昌磨は結果、フリーでもシーズンベストを更新し逆転優勝を果たした。


ショート1位だった草太くんも2位に入り、昌磨と草太くんでダブル表彰台となった。


そして今度は私の番。



前日の公式練習であんなにジャンプが決まらなかったのが嘘のように6練で次々とジャンプを降りていける。


きっと昌磨の言葉のおかげだろう…

美穂子先生も

「全く昌磨はAの精神安定剤ね笑」

なんて言って笑っている。

でも本当にその通りかもしれない。

なんだかんだいつも昌磨の言葉に救われている。

ありがたいことだ。

.

そんなこんなで調子を戻して6練が終わり、自分の番になる。

今日は昌磨と同じ4番滑走。

これも運命なのかなって戯けてみる。

.

そしてとうとう自分の番が来た。

.

美穂子先生といつものように手を握りながら話す。

「よく聞きなさい、あなたは誰よりも努力家で頑張ってきた。あの練習の虫の昌磨が尊敬するほどよ。」

『はい…』

「もっと自分に自信を持ちなさい。もう今のAならなんの問題ないわ。」

『はいっ！』

「さぁっ行ってらっしゃい」

手に力をぎゅっと込めてから美穂子先生の手を離す。

そして自分の名前がコールされ、私はリンクへ飛び出す。

私はいける…


.

最初のポジションについた時…


「Aなら大丈夫！」


昌磨の声が聞こえた…


そんな気がした。

よし、自分を信じて…



あとはやるだけだ。

【…】→←【…】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す