一つの結論 ページ9
乱歩さんside
彼等は何故、互いの気持ちに気付かないのか。治とやらはきっと気づいている。僕と同じように。
「おい」
「おや? 素敵帽子君じゃあないか暫くだね。Aは
ここにはいないよ」
「知ってる」
怒っているのかなんなのかむすっとしたまま近付いてくる。
「手前に話があんだ」
「君の云う不整脈の事かな」
「分かってんじゃねェか」
満足げに笑った。不整脈でない事は確かなのに。Aも素敵帽子君も馬鹿だな。鈍過ぎる。
「前にも云ったと思うけど、それは自分で気付かないと意味がない」
僕が云うと彼は眉を寄せた。
「……ヒントとか、ねェのかよ」
面倒だ。実に面倒だ。
「そうだね…」
いいことを思いついた。
「素敵帽子君、君にヒントをあげよう!」
「お、おう」
「そのかわり、僕に駄菓子を持ってきてよ」
「はぁ…!?」
「僕の満足する駄菓子を持ってきてくれるならば、ヒントをあげよう」
ヒントなんてものなくても解ける。でも、きっと僕みたいな名探偵じゃないとわからないんだ。
……是非、Aの弟に会ってみたいな。
彼は何故、彼にヒントを与えないのだろうか。
そこまで、いって僕は一つの結論に辿り着いた。
「そう云うことならば」
納得だ。
「何ブツブツ云ってんだ?」
不審な目で僕を見てくる。
「いいから、君は早く駄菓子を持ってくる!」
「はいはい! 手前、それまでここを動くんじゃねェぞ!!」
「いってらっしゃーい」
僕は僕の気の向くままに。
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作者名:LUCA | 作成日時:2019年3月29日 21時