近すぎて遠くて。(hk×in) (ページ14)

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文化祭当日。

クラスでの出し物は安定のカフェで、交代で店番をしなきゃいけないんだけど、それ以外は自由だ。

ひかると薮と高木と大ちゃんと俺の5人で自由時間は回ろうと思ってたのに、クラスの奴に

「お前ら5人ともいなくなったら客がいなくなるから同じシフトはマジで勘弁…」

とかなんとか、泣きそうな顔で言われちゃってみんな一緒に回るのは叶わなかった。

しかもなぜかシフト分けは…

「なんでよりによって薮と…」
「お前ら本当俺に失礼だな」
「だってさぁ…」

俺らのクラスのカフェは大繁盛で、シフトが入ってた4時間フル活動だった。
シフトが終わったら他のクラスの出し物を回ろうと思ってたけど、普段省エネで生きてる俺は疲れてそれどころじゃなくて。

結局薮と2人で自販機でそれぞれジュースを買ってみんなの荷物置き場になってる教室でぐだぐだすることに。

もちろんひかると2人で回るのが1番の希望だったけど、髙木は優しいし、大ちゃんは面白いし。

薮は唯一俺を甘やかしてくれない気がするし、ひかると多分1番仲が良くて俺にとっては敵だ。
俺のことも昔から知ってるし、そんな薮だからお互い遠慮なく物が言える。
一緒にいて楽っちゃ楽なんだけど。

「クラスの奴が勝手にシフト組んだんだから仕方ないだろ？光と一緒がいいーって言えばよかったじゃねぇか」

「そんなことクラスで言える訳ないでしょ、薮のバカ…

って！なんでひかる…！？」

「今更かよ、お前が光のこと好きなのなんて小学校の時から気付いてるから」

開いた口が塞がらない、ってこういう時使うんだな。
確かに小学校の頃は今よりずっと素直だったけど、そんなこと薮が覚えてるなんて思いもしなかった。

でもきっと薮はそんな不確かな情報でこんな核心を突いてきたりはしない気がする。

「…ひかるにどこまで聞いたの」

「は？」

「いつ聞いたかまでは知らないけどひかるに聞いたんでしょ、小学校から知ってたのにこのタイミングで言ってくるってことは」

「お前本当変なとこ鋭いよな…大丈夫だよ、多分お前が心配するようなことはなにも。付き合うことになったっていうのは聞いたけど、色々聞いても光教えてくれなかったし」

「付き合ってることは聞いたのかよ…」

ひかると俺だけの、2人の秘密って感じも好きだったのに。ひかるは単純だから、薮が揺さぶりをかけたらあっさり白状しちゃったんだろう。

どこまで話したのか怪しいとこだ。