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in side
いつも一緒にいるとはいえ、私服で会うなんてすごく久しぶり。
似合ってるとは言われないまでも、せっかくならいつもより良いなって思われたかったから、昨日の夜から1人ファッションショーみたいな勢いで服を選んだ。
インターホンが鳴ったから、玄関を開けたらひかるが待っててくれて。
やっぱり昔見た、ただ親が買ってきたのをそのまま着てたみたいな服じゃなくて、シンプルだけどおしゃれで、ひかるっぽい。
ちょっと見とれてたらひかるもなんか固まってて、あれ、どっか変だったかな。寝ぐせも完璧に直したつもりだったのにどっかはねてる?
「ひかる?」
「あ、ごめん…いのちゃん、似合ってる、ね」
何を言いだすんだいきなり。
一気に顔が紅潮していくのが自分でもわかってとてつもなく恥ずかしい。
言われたこと自体はすっごくうれしかったけど急に言うもんだからペース狂う…!!そんなこと言うキャラじゃないじゃん…!ひかるはこういうとこバカみたいに素直で、ぽんって言えちゃうからずるい。
ひかるも似合ってるねって俺も言えたらいいけど、そんなの恥ずかし過ぎて、かわいくない俺はまた言えないままだ。
俺はひかると違って肝心なところで照れちゃって全然素直になれない。
ありがとうすら言えなくてそんな自分に嫌気が差す。
「じゃ、行こっか」
俺がなにも返せなかったからか、似合ってるねって言ってくれたのに、ひかるはものすごい速さで目を逸らして歩いて行ってしまったから俺は慌ててついて行った。
ショッピングモールまではそう遠くなくて、歩いて15分くらいのとこなんだけど…
なんか遠回りしてない?
大通りを真っ直ぐ行けばいいのに、ひかるは人のいなさそうな通りを選んでるみたいで。
しかもほぼ無言…まだ怒ってるなんてそんなことはないだろうけど、どうしたんだろ。
ひかるは方向音痴だけど、さすがにこんな近くのショッピングモールに行くのにも迷うなんて考えにくいし、迷ったらすぐ俺に言うだろうし…
なんでわざわざこんな道通るの?って聞こうと思った時だった。
急に俺の右手が体温に包まれて。
一瞬なにが起こったのか理解できなくてびっくりしてひかるを見たら耳まで真っ赤だった。
でもそれはきっとお互い様だ。
「急に…ごめん…手、繋ぎたくなっちゃった…」
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作者名:さや | 作成日時:2017年10月11日 0時