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Story 6 ページ6

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窮屈なパンプスを脱いで、階段を上がる。


帰ったら真っ先に向かうのが、




『ただいまー、瑞稀!』


「おかえり」




おかえり、って返してくれるけど、視線がこっちに向けられることは無く、瑞稀の視線は相変わらずスマホに独占されている。


別にいいもんね!と勝手に入った瑞稀の部屋を出ようとすると、ねえ、と呼び止められる。




『ん?何?』


「はしもっちゃん、別れ際何か言ってた?」


『…気を付けて帰ってね、くらい、かな?気を付けるも何もないのにね?』


「…あの、馬鹿、」




はぁ、と瑞稀がため息を吐く。


別に凉くん、失言とかはしてないんだけどね。


瑞稀のため息を背に今度こそ、部屋を出た。




*




スーツを脱いで、部屋着に着替える。


やっぱスーツは面倒だなぁ、ブラックだし、バイト変えよっかなって何回も何百回も思ったけれど、


なんだ何だ受け持った生徒が可愛くて辞められないんだよね。


せっかく作間くんも入ってくれたし、志望校合格まで一緒に頑張って行きたいな、と思ったところで、瞼が落ちかける。


…お風呂入る、メイク落とす、歯磨く。


これはやらないと、と自分の頬をペチンと叩いて軽く気合を入れた。


あ、そういえば、さっき誰かからメッセージが来てたな、と思い出す。




〈お疲れさまです。井上先生、明日16:30から来ることって難しいですか?〉




…塾長からだ。


無視しようと思ったけど、




〈作間くんが井上先生で、英語の授業も体験したいそうで〉




いつもなら、面倒だから断るけど、


何故か、




《大丈夫です。16:30からですね、承知致しました》




なんて、送ってしまった。


誰に何かを言われた訳じゃないのに、春休み、沢山遊ぶと思うし、シフト増やさないとね!…なんてひとり、心の中で言い訳した。




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アオ(プロフ) - さつきさん» ありがとうございます!もうちょっと甘めのシーンを詰め込みたかったのですが最後で無理やり入れました(笑) (2019年3月23日 21時) (レス) id: 9c6ea69461 (このIDを非表示/違反報告)
さつき(プロフ) - 最後の最後に、最強のキュンキュンをありがとうございました!!! (2019年3月23日 20時) (レス) id: db2720f2e4 (このIDを非表示/違反報告)
アオ(プロフ) - きてぃさん» ありがとうございます!これからもよろしくお願いします〜〜!! (2019年3月13日 1時) (レス) id: 9c6ea69461 (このIDを非表示/違反報告)
きてぃ(プロフ) - やばいです、盛大にキュン死してます、大好きですこの作品!!頑張ってください!! (2019年3月12日 12時) (レス) id: 5a9c94661d (このIDを非表示/違反報告)
アオ(プロフ) - もちさん» わ〜!早速コメントありがとうございます!!はじこいすてきですよね〜!!作間くんにゆりゆりばりに頑張っていただきましょう……! (2019年3月11日 1時) (レス) id: 9c6ea69461 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アオ x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=blueao5&scr=novel/jeyuto01...  
作成日時:2019年3月10日 22時

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