story 30 ページ30
「え、シゲちゃん？」
「シゲやー！」
重なったAと望の声。
ドアの後ろから姿を現したのは、今話題に出ていたシゲだった。
へへっ、と恥ずかしそうに頭を掻いたシゲ。
「ごめん、遅なった」
相変わらず頬に窪みを浮かべた、人懐っこい笑顔で俺たちに笑いかける。
「何してたんよ、今まで」
「んー、なんや、
HOPEであんな別れ方してもうたから、
姿見せるの気が引けたというか」
ゴニョゴニョとシゲが口ごもる。
「平野がお呼びしたんですよ。
重岡さん、寂しがってるんとちゃうかなって」
鼻高々に声をあげた紫耀の頭を、文一が叩く。
「何、一人の手柄みたいにしてんねん。
指示したのは俺や」
「見つけたのは僕ですーぅ」
子供みたいな意地の張り合い。
それを見ていたシゲが、思い出したように喋り出す。
「紫耀はな、ほんまに天然やろ。
俺さぁ、初めて会うた時に連絡先聞いてん。
そしたこいつ、何て言うたと思う！
『重岡くんに教えられるなんて光栄です。
いきますよ、s,h,o,……』
いやいやいや、覚えられるわけあらへんって！」
シゲの大げさな身振りつきの報告に、部屋中がどっと沸く。
「で、皆さんはなんの話をしてたんですか？」
全員にお茶を配り終えて、パソコンの前に座り込んだ紫耀。
お茶を飲みながら、のんびりとした口調で問いかける。
静かに目配せが交わされた。
「あんな、文一くんと紫耀はグルなんとちゃうかって」
代表して流星が言葉を発して、二人を観察する。
顔を見合わせた二人は同時に首を傾げる。
「グルってほどつるんでわけではないですけど、協力はしますよ」
「やったら、何で嘘ついたん？」
柊真の言葉に、紫耀はさらに首を深く傾げる。
「へ？嘘なんかついてませんよ」
「なぁ、ほんまのこと言うてや。
もう廉に裏は取ってんねん」
康二の言葉に、紫耀はびっくりした顔で廉を見やる。
チロッと舌を出した廉。
「もうっ、廉のアホ」
ため息をついた紫耀は、流星の方を向く。
「確かに僕も廉も文一くんも、同じお仕事してます。
でも嘘はついてません。
ちゃんとプログラミングもしてる。
それにかんがえてみて下さいよ。
僕らみたいな人たちって、
仲間にいると何かと便利でしょ？」
そう言って笑顔を浮かべる紫耀の目は笑っていなかった。
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moca(プロフ) - 優希さん» 優希さん、ありがとうございます！読みにくい部分もたくさんあるかと思いますが、お褒めの言葉をいただけると、すごく励みになります( ´∀｀) 次章は２月末ごろに始められたらなぁと考えているので、楽しみにしていてください！ (2017年2月16日 0時) (
レス) id: 869b606eb4 (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - 愛罠シリーズ1から読ませて頂いてます！わくわくするような展開がとても面白くて大好きです！また、曲のタイトル曲の世界観がスーッと盛り込まれていて本当に素敵だなと思っています！最終章に向ってしまうのは寂しいですが続編待っています！頑張ってください！ (2017年2月15日 9時) (レス) id: efdae36fb0 (このIDを非表示/違反報告)
moca(プロフ) - ぴーちさん» ぴーちさん、そう言ってもらえるとすごく幸せです、ありがとうございます！続編はあの曲です。予想しながら待っててください！ (2017年1月31日 16時) (レス) id: c5c064e0e4 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーち - すごく文章が上手で、読みながらハラハラしちゃいます！続編も楽しみにしています！ (2017年1月31日 15時) (レス) id: 6583968309 (このIDを非表示/違反報告)
moca(プロフ) - MilK.さん» MilKさん、お知らせできてなくてごめんなさい。一応前作のCriminalのあとがきで、シリーズしてきたので題名変えますとお知らせしています。内容はそのままなので、読み続けてもらえると嬉しいです！ (2017年1月1日 21時) (レス) id: eb2695e115 (このIDを非表示/違反報告)
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