story 28 ページ28
「なぁ、廉。
あいつ、何者なん？」
紫耀の姿が見えなくなってから、流星は廉のほうに向き直った。
口を閉ざした廉が、ちらっと柊真の方を見る。
「まぁ確かに変ですけど、ええやつっすよ」
口を閉ざした廉の代わりに、康二が楽しそうに流星に話しかける。
「あいつ、マジで天然なんですよ。
あとね、話聞いてるフリして聞いてないこと多いからすぐ聞き返す。
でも男前なやつっすよ。
自分より人のこと考えてて、ほんまにやさしい。
なぁ、柊真ちん」
話を振られた柊真は、曖昧な笑いを康二に返す。
「そうやな……俺らの知ってる紫耀はそうやな。
でも、あいつなんか変わった。
無邪気さが消えて、笑顔なのに寂しそうで……
紫耀の通訳できるのは俺だけや、って自信持ってたけど、
俺には今のあいつが何考えてるのかわからへん」
「でもさっきまでのあいつと、
パソコンに向かった瞬間のあいつは別人やった。
不思議なキャラクター、作ってるんちゃうかって思うくらいに」
望が柊真に同意する。
流星もそう感じていた。
紫耀の中には何かが眠っている。
黙ってしまった仲間たちを、大吾がオロオロと見比べる。
「……っ、何でそんなこと言うん？
紫耀は紫耀やんかっ。
紫耀のこと知らん流星くんやのんちゃんはともかく、
なんで柊真ちんまでそういうこと言うんよっ」
憤慨した康二が柊真に掴みかかる。
慌てて大吾が止めに入った瞬間、康二はピタッと動きを止めた。
「……あ、一緒や。
さっき言うてたシゲさんと一緒」
康二が気づいたように呟く。
「そうですよね、
友達を、仲間を悪く言われたら怒りますよね。
あー、もう、何で気付かへんかったんやろ。
アホやん、俺」
はぁー、と大きなため息をついた康二は、
目の前にいる柊真の肩にぽすっと頭を預ける。
「ごめんな、柊真ちん。怒鳴ってもうて。
俺、柊真ちんのこと大好きやからな」
そんな康二を優しい笑顔で見つめる柊真。
「わかってるわ、何年コンビ組んでると思うてんねん。
康二が俺のこと好きなのは知ってるわ。
可愛いやつ」
「つ……つ……付き合う？」
突然しりとりを始めた康二。
そんな彼にも驚くことなく、柊真はさらっと返事をする。
「うーん、お断りします」
「……こいつ、天才や」
神ちゃんがボソッとつぶやいていた。
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moca(プロフ) - 優希さん» 優希さん、ありがとうございます！読みにくい部分もたくさんあるかと思いますが、お褒めの言葉をいただけると、すごく励みになります( ´∀｀) 次章は２月末ごろに始められたらなぁと考えているので、楽しみにしていてください！ (2017年2月16日 0時) (
レス) id: 869b606eb4 (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - 愛罠シリーズ1から読ませて頂いてます！わくわくするような展開がとても面白くて大好きです！また、曲のタイトル曲の世界観がスーッと盛り込まれていて本当に素敵だなと思っています！最終章に向ってしまうのは寂しいですが続編待っています！頑張ってください！ (2017年2月15日 9時) (レス) id: efdae36fb0 (このIDを非表示/違反報告)
moca(プロフ) - ぴーちさん» ぴーちさん、そう言ってもらえるとすごく幸せです、ありがとうございます！続編はあの曲です。予想しながら待っててください！ (2017年1月31日 16時) (レス) id: c5c064e0e4 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーち - すごく文章が上手で、読みながらハラハラしちゃいます！続編も楽しみにしています！ (2017年1月31日 15時) (レス) id: 6583968309 (このIDを非表示/違反報告)
moca(プロフ) - MilK.さん» MilKさん、お知らせできてなくてごめんなさい。一応前作のCriminalのあとがきで、シリーズしてきたので題名変えますとお知らせしています。内容はそのままなので、読み続けてもらえると嬉しいです！ (2017年1月1日 21時) (レス) id: eb2695e115 (このIDを非表示/違反報告)
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