story 27 ページ27
重なったのは望と康二の声。
二人ははっと顔を見合わせる。
「お前、今なんて言うた」
唇を震わせた望が、康二に怒りのこもった視線を向ける。
その迫力に圧倒されて小さくなった康二。
望の顔見上げて、切れ切れに言葉を紡ぐ。
「え、いや、あの……
もしかして、文一くんが言うてた敵やないかなーって……思うて……」
「シゲはそんなことせぇへん！」
カッとなった望が康二の胸元を掴む。
「わ、ちょっとのんさん、あきませんって」
「そうやって、こんなとこで仲間割れしてどないするん」
大吾と柊真が慌てて止めに入る。
康二から離した手をぎゅっと握った望が、悔しそうに唇を噛む。
「シゲはそんなやつとちゃう。
人を裏切るようなやつとちゃう」
「そうや、シゲはそんなことせえへん」
さっきまでとはガラッと口調の変わった神ちゃんが、
望の言葉に賛同する。
「確かに普段のシゲは、ヘラヘラ笑うてるお調子者かもしれへん。
けど、人一倍仲間思いで、意志が強くて……」
「あー、ほんまにすみませんっ。
俺、その人知らんから勝手に疑ってもうただけで」
熱く語り始めた神ちゃんをあわてて康二が止める。
落ち込んでしまった康二をなぐさめるように柊真が肩を抱く。
その横で康二と神ちゃんの顔を見比べていた紫耀がぼんっと手を打つ。
「そしたら僕が調べますよぅ。
シゲさん、でしたっけ？」
「重岡大毅、俺の高校の先輩」
「で、私の幼馴染ね」
追加するようにAが言葉を挟む。
頷いた紫耀は、部屋の隅においてある机に向かうと、
パソコンを起動させる。
そしてものすごい勢いでキーボードをたたき始めた。
「わ、すげー」
「実は平野、プログラミングの会社も立ち上げてるんですよ。
表に出て行ったことはないんですけど」
楽しそうに鼻歌を歌いながらキーボードを叩く紫耀を見て、
流星は頼もしさを感じると同時に恐怖を感じていた。
ふわふわとした見た目や言動とは相反して、
なんでも器用にこなすこの少年を敵に回すと恐ろしい。
そんな危険信号が脳内に点った。
「よしっと。後は少々お待ちください。
休憩しましょ。
ばあちゃんにお茶でももらってきます」
数分後、にこっと笑ってパソコンを閉じた紫耀は
パタパタと階段を下りていった。
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moca(プロフ) - 優希さん» 優希さん、ありがとうございます！読みにくい部分もたくさんあるかと思いますが、お褒めの言葉をいただけると、すごく励みになります( ´∀｀) 次章は２月末ごろに始められたらなぁと考えているので、楽しみにしていてください！ (2017年2月16日 0時) (
レス) id: 869b606eb4 (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - 愛罠シリーズ1から読ませて頂いてます！わくわくするような展開がとても面白くて大好きです！また、曲のタイトル曲の世界観がスーッと盛り込まれていて本当に素敵だなと思っています！最終章に向ってしまうのは寂しいですが続編待っています！頑張ってください！ (2017年2月15日 9時) (レス) id: efdae36fb0 (このIDを非表示/違反報告)
moca(プロフ) - ぴーちさん» ぴーちさん、そう言ってもらえるとすごく幸せです、ありがとうございます！続編はあの曲です。予想しながら待っててください！ (2017年1月31日 16時) (レス) id: c5c064e0e4 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーち - すごく文章が上手で、読みながらハラハラしちゃいます！続編も楽しみにしています！ (2017年1月31日 15時) (レス) id: 6583968309 (このIDを非表示/違反報告)
moca(プロフ) - MilK.さん» MilKさん、お知らせできてなくてごめんなさい。一応前作のCriminalのあとがきで、シリーズしてきたので題名変えますとお知らせしています。内容はそのままなので、読み続けてもらえると嬉しいです！ (2017年1月1日 21時) (レス) id: eb2695e115 (このIDを非表示/違反報告)
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