story 20 ページ20
「ジーコ！！！」
勢いよく立ち上がった紫耀。
「待たせたな、紫耀」
扉に左手をついてカッコつけた康二が、
ふっと息を吐いて前髪をかきあげる。
「待ってましたよぉ」
紫耀は嬉しそうな笑顔を浮かべ、ジーコに向かって手を広げる。
そんな紫耀の言葉に、康二は顔を伏せた。
そして右腕で顔を覆う。
「……ジーコ？」
心配そうに康二の顔を覗き込む紫耀から、顔を背けた康二。
「……紫耀、俺さ、
やっと会えたことに感動しすぎて泣いてもうて……
ごめん、この腕外してくれ」
「え、あ、うん」
紫耀がそっと腕を外すのを、そこにいた全員が息を呑んで見守る。
……と、次の瞬間。
「「「ぎゃははははっ」」」
部屋中が爆笑に包まれた。
「うわ、ここで顔芸って」
「わー、お腹痛い」
「さすが康二や」
当の本人はしてやったりという顔で部屋を見渡している。
「もう、ジーコっ」
「やった、受けたぁ」
そう言って、満足そうに部屋の中に入ろうとする康二。
しかし紫耀の寂しそうな顔を見て、彼の方に向き直る。
見つめ合った二人。
どちらからともなく飛びつくと、
二人はひしっと熱い抱擁を交わした。
紫耀は康二を持ち上げて、メリーゴーランドのようにクルクル回る。
そっと康二を下ろした紫耀の頬に、チュッと口付けた康二。
逃げるようなそぶりを見せながらも、嬉しそうにそれを受け入れる紫耀。
二人の固い絆が垣間見えた。
「あの、もうええかな」
扉から入ってくる二つの影。
「文一くん！」
「柊真！」
「「「いつの間におったん？」」」
みんなの声が重なる。
「ずっとおったわ！」
「しゃあないな。
とーまちん、壁と同化してまうから」
「やかましいわ」
嬉しそうにいじってくる康二に、柊真は華麗にツッコミを入れる。
「とーまちーん！！！」
康二から離れた紫耀が柊真に抱きつく。
「紫耀、遅なって堪忍な」
「あ、紫耀だけずるいっ。
俺も俺もー」
「アホ、さっきからずっと一緒におるやんけ」
紫耀を受け止めた柊真に、康二も抱きつく。
嬉しそうに二人まとめて受け止めた柊真の目には、
光るものが浮かんでいた。
「文一くん」
その様子を微笑みながら見守る文一に、流星は声をかけた。
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moca(プロフ) - 優希さん» 優希さん、ありがとうございます！読みにくい部分もたくさんあるかと思いますが、お褒めの言葉をいただけると、すごく励みになります( ´∀｀) 次章は２月末ごろに始められたらなぁと考えているので、楽しみにしていてください！ (2017年2月16日 0時) (
レス) id: 869b606eb4 (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - 愛罠シリーズ1から読ませて頂いてます！わくわくするような展開がとても面白くて大好きです！また、曲のタイトル曲の世界観がスーッと盛り込まれていて本当に素敵だなと思っています！最終章に向ってしまうのは寂しいですが続編待っています！頑張ってください！ (2017年2月15日 9時) (レス) id: efdae36fb0 (このIDを非表示/違反報告)
moca(プロフ) - ぴーちさん» ぴーちさん、そう言ってもらえるとすごく幸せです、ありがとうございます！続編はあの曲です。予想しながら待っててください！ (2017年1月31日 16時) (レス) id: c5c064e0e4 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーち - すごく文章が上手で、読みながらハラハラしちゃいます！続編も楽しみにしています！ (2017年1月31日 15時) (レス) id: 6583968309 (このIDを非表示/違反報告)
moca(プロフ) - MilK.さん» MilKさん、お知らせできてなくてごめんなさい。一応前作のCriminalのあとがきで、シリーズしてきたので題名変えますとお知らせしています。内容はそのままなので、読み続けてもらえると嬉しいです！ (2017年1月1日 21時) (レス) id: eb2695e115 (このIDを非表示/違反報告)
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