story 13 ページ13
「A？」
紫耀のベッドに横たわったAに声をかける。
ピクリとも反応しない彼女。
「なんで？なんでこんなことになるん？」
流星は後悔していた。
なんで逃げ出そうなんて考えたんやろ。
あのまま北條の家におったら、こんなことにはならんかったのに。
右手で彼女の手を握り、左手で頭を撫でながら、
流星は彼女が目を覚ましてくれるのをひたすら祈り続けた。
「流星？」
聞き慣れた、でも控えめな声が聞こえて、流星は初めて周りを見た。
顔を上げると、心配そうに彼を見下ろしている望。
いつの間にか窓際に敷かれている布団には、神ちゃんが横たわっていて、
傷跡を手当てする紫耀と廉の姿が見える。
ドアの横には、立ちすくむ小さな体を優しく包み込んでいる大吾。
「大丈夫か？」
望の声が再び聞こえて、流星は彼の方に視線を戻す。
「望……俺……」
「流星は間違ってへんよ」
望は強い口調で流星の言葉を制する。
「どうせ、俺が連れ出したりせんかったらこんなことにはならんかったのに、
とか考えて弱気になってるんちゃうん？」
そう言って流星の顔を覗き込んだ望は、コツンと流星の頭を小突く。
「お前がそんなんやったら、Aちゃんも目覚まさへんわ。
こんな気弱なリーダーに誰が付いていくんよ」
「……リーダー？」
「当たり前やん。
逃げようって言い出したの誰なん？自分やろ？
俺ら、流星のためにここまで体張ってんねんで？
そんな簡単に諦めるくらいやったら、今すぐやめろや」
「ちょ、のんさん。
言い過ぎですって」
慌てて大吾が止めに入る。
望はその体を押しのけると、流星の肩を掴んだ。
「うるさい、大吾。
黙っとけ。
なあ、流星。
お前そんな弱い男やったん？
Aちゃんを想う気持ちってそんなもんなん？
自分のことばっか考えて、仲間に感謝の一つもできひんの？」
一気にまくしたてた望は、肩で呼吸をしている。
ポタッ、
床に落ちた一粒の水滴。
「望？」
肩を震わせる望は、流星の肩を掴んだまま、
その場に力なく崩れ落ちた。
「もう嫌やぁ。
こんな風にみんなが傷つくの、俺見てられへん」
その声に部屋全体が重い雰囲気になる。
流星は何か言おうと口を開いたが、言葉が出てこなかった。
「りゅ、せ、？」
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moca(プロフ) - 優希さん» 優希さん、ありがとうございます！読みにくい部分もたくさんあるかと思いますが、お褒めの言葉をいただけると、すごく励みになります( ´∀｀) 次章は２月末ごろに始められたらなぁと考えているので、楽しみにしていてください！ (2017年2月16日 0時) (
レス) id: 869b606eb4 (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - 愛罠シリーズ1から読ませて頂いてます！わくわくするような展開がとても面白くて大好きです！また、曲のタイトル曲の世界観がスーッと盛り込まれていて本当に素敵だなと思っています！最終章に向ってしまうのは寂しいですが続編待っています！頑張ってください！ (2017年2月15日 9時) (レス) id: efdae36fb0 (このIDを非表示/違反報告)
moca(プロフ) - ぴーちさん» ぴーちさん、そう言ってもらえるとすごく幸せです、ありがとうございます！続編はあの曲です。予想しながら待っててください！ (2017年1月31日 16時) (レス) id: c5c064e0e4 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーち - すごく文章が上手で、読みながらハラハラしちゃいます！続編も楽しみにしています！ (2017年1月31日 15時) (レス) id: 6583968309 (このIDを非表示/違反報告)
moca(プロフ) - MilK.さん» MilKさん、お知らせできてなくてごめんなさい。一応前作のCriminalのあとがきで、シリーズしてきたので題名変えますとお知らせしています。内容はそのままなので、読み続けてもらえると嬉しいです！ (2017年1月1日 21時) (レス) id: eb2695e115 (このIDを非表示/違反報告)
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