story 11 ページ11
「救急箱持ってきたで！」
望の声を聞いた後の紫耀の動きは素早かった。
箱から包帯を引っ張り出すと、神ちゃんの腕に巻きつけて止血する。
「流星、腕支えてやって。心臓より高く！
廉は俺の部屋の押し入れから布団出して敷いといて。
わかるやろ、いつもの」
「当たり前やんか」
指示を受けた廉も、流星の後を追いかけて二階へと消えていく。
その場に残されたのは神ちゃんと望、紫耀、ちびりゅの四人だった。
「なあ、ぼく」
望がちびりゅに声をかける。
「何が起こったん？」
「あの、ですね、」
「追手や。
文一くんが裏切ったの知って、俺らの方に標的変えてん」
口ごもるちびりゅの代わりに答えたのは神ちゃんだった。
「最初は下っ端のやつらが三人くらいおるだけやってん。
けど、ごちゃごちゃやってるうちに淳太様たちが来てもうて……
文一くんが、先行けって俺らを逃がしてくれてん」
言葉を切った神ちゃんは、痛みに耐えるように顔をしかめる。
ぐっと唇をかんだちびりゅが、その後を受けるように口を開いた。
「僕ら、走って逃げたんです。
でもいっぱい先回りしてて、僕が捕まっちゃって」
「淳太様の会社の人間やってことは俺にもわかった。
このまま逃げたら、捕まってるこの子がどうなるんかわからん。
それでもお嬢様だけは守らなあかん。
いろいろ考えた結果がこれやな」
神ちゃんが引きつった笑いを漏らす。
「神山さん、かっこよかったです。
一瞬で僕のこと解放してくれて、五人くらいを相手に戦って。
僕、Aさん後ろに隠して、徐々に後ろに下がっていったんです。
そうしたら相手の一人がそのことに気づいちゃって……」
語るちびりゅの目には涙が浮かんでいた。
「神山さんが『逃げろ』って言ってるのは聞こえてたんです。
でも怖くて、足が動かなくて……
そうしたら相手の人がすごい勢いで近づいてきて、
Aさんに何かを当てて。
そしたらパタッて倒れちゃって。
……ごめんなさい、僕のせいなんです。
僕が捕まったりしたから、神山さんもAさんもこんなことにっ」
「大丈夫や、流星のせいやない。
死んだわけちゃう、泣かんといてや」
神ちゃんが負傷してない左手でちびりゅの涙を拭う。
望は背中に冷たい汗が流れるのを感じた。
「なぁ、他の人らは？」
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moca(プロフ) - 優希さん» 優希さん、ありがとうございます！読みにくい部分もたくさんあるかと思いますが、お褒めの言葉をいただけると、すごく励みになります( ´∀｀) 次章は２月末ごろに始められたらなぁと考えているので、楽しみにしていてください！ (2017年2月16日 0時) (
レス) id: 869b606eb4 (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - 愛罠シリーズ1から読ませて頂いてます！わくわくするような展開がとても面白くて大好きです！また、曲のタイトル曲の世界観がスーッと盛り込まれていて本当に素敵だなと思っています！最終章に向ってしまうのは寂しいですが続編待っています！頑張ってください！ (2017年2月15日 9時) (レス) id: efdae36fb0 (このIDを非表示/違反報告)
moca(プロフ) - ぴーちさん» ぴーちさん、そう言ってもらえるとすごく幸せです、ありがとうございます！続編はあの曲です。予想しながら待っててください！ (2017年1月31日 16時) (レス) id: c5c064e0e4 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーち - すごく文章が上手で、読みながらハラハラしちゃいます！続編も楽しみにしています！ (2017年1月31日 15時) (レス) id: 6583968309 (このIDを非表示/違反報告)
moca(プロフ) - MilK.さん» MilKさん、お知らせできてなくてごめんなさい。一応前作のCriminalのあとがきで、シリーズしてきたので題名変えますとお知らせしています。内容はそのままなので、読み続けてもらえると嬉しいです！ (2017年1月1日 21時) (レス) id: eb2695e115 (このIDを非表示/違反報告)
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