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「あ、あの青いの!」
高速道路を降りてしばらく走ると、堤防道路から見えてきたド派手な家。
信号で停止した車からそれを指差した廉が、
興奮したように目を輝かせる。
「え……ほんまに言うてる?」
「あんなん目立ちすぎて、隠れられへんのとちゃいます?」
それに対して渋い顔を見せた望と大吾。
いつの間にか大吾はウイッグを装着して女の子に戻っている。
住宅街の中でもひときわ目立つ真っ青に塗られた家。
どんな趣味してんねん、と流星は心の中で突っ込んだ。
「しゃあないやないですか。
あそこが紫耀の家なんすから」
廉は口をとがらせながら、少し焦ったように前髪を撫でる。
「とりあえず、行くしかないんとちゃいますか?
ほら、青になりましたよ。
のんさん、お願いしますね」
大吾が空気を変えるように、パンと手を叩く。
ハンドルを握る望が渋々ながらアクセルを踏み出した。
*
「ちょ、とりあえず廉だけ先行ってくれへん?
車どこ止めたらええんか聞いてきてほしい」
「ほーい」
すぐにたどり着いた真っ青な家の前。
車を止めた望が、隣の廉に指示を飛ばす。
返事をした廉が、扉を開けて車を降りて、
玄関のチャイムを押すのが見えた。
大吾がそっと窓を開ける。
「はいー?」
少しハスキーなふわっとした声が聞こえてきて、ガチャッとドアが開く。
扉から顔をのぞかせた茶髪の少年。
「よっ、」
片手を上げて挨拶する廉の顔を見た瞬間、彼の顔が嬉しそうに輝いた。
「え、廉?ほんまに?
なんでこんなとこおるん?
うわー、ひっさしぶりやなぁ」
まるで廉にぶつけるかのように勢いよく扉を開けると、
少年は廉に抱きついた。
「うげっ、」
案の定、開いた扉は廉のおでこを直撃し、
飛びつかれた廉自身はは体重を支えきれなくなったのか後ろへ倒れていく。
「うわっと、廉大丈夫?」
可愛らしい顔には似合わず、軽々と廉の体重を支えた彼。
扉の後ろから現れた体はがっちりしていて、
しっかりと鍛え上げられているように見えた。
「さんきゅ、紫耀。
久しぶりやな。
たまには顔でも出そうかと思うて」
「来てくれるの待ってましたよう。
あ、ジーコたちも今日来る……って廉は知らんかったか」
紫耀、と呼ばれた少年の口からよく知った名前が出てきて、流星は少し安心した。
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moca(プロフ) - 優希さん» 優希さん、ありがとうございます!読みにくい部分もたくさんあるかと思いますが、お褒めの言葉をいただけると、すごく励みになります( ´∀`) 次章は2月末ごろに始められたらなぁと考えているので、楽しみにしていてください! (2017年2月16日 0時) (レス) id: 869b606eb4 (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - 愛罠シリーズ1から読ませて頂いてます!わくわくするような展開がとても面白くて大好きです!また、曲のタイトル曲の世界観がスーッと盛り込まれていて本当に素敵だなと思っています!最終章に向ってしまうのは寂しいですが続編待っています!頑張ってください! (2017年2月15日 9時) (レス) id: efdae36fb0 (このIDを非表示/違反報告)
moca(プロフ) - ぴーちさん» ぴーちさん、そう言ってもらえるとすごく幸せです、ありがとうございます!続編はあの曲です。予想しながら待っててください! (2017年1月31日 16時) (レス) id: c5c064e0e4 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーち - すごく文章が上手で、読みながらハラハラしちゃいます!続編も楽しみにしています! (2017年1月31日 15時) (レス) id: 6583968309 (このIDを非表示/違反報告)
moca(プロフ) - MilK.さん» MilKさん、お知らせできてなくてごめんなさい。一応前作のCriminalのあとがきで、シリーズしてきたので題名変えますとお知らせしています。内容はそのままなので、読み続けてもらえると嬉しいです! (2017年1月1日 21時) (レス) id: eb2695e115 (このIDを非表示/違反報告)
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