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No.83 ページ33
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Aに告白してから一週間。
特に変わることのない日々を過ごす。
数は減ったといえど毎日連絡はとっているし、胸のなかはやたらすっきりしていて今は何をしていても楽しい。
どんなことでも頑張れると思うのは何故だろうか。
収録が終わり楽屋に戻った途端、舘さんが携帯を取り出しいじり始めた。
滅多に楽屋では携帯をいじらないその姿が凄く新鮮だった。
阿「舘さんこの後用事か何かあるの？」
宮「用事は用事だけど俺の用事では無いかな。」
阿「何その訳分からない用事。」
宮「まあ、ちょっと。人助けっていうかなんというか、ある意味当事者な気もするし。」
阿「ますます訳分からない。」
宮「分からなくても大丈夫。さ、帰ろっか。」
携帯を仕舞うとそそくさと帰り支度を済ませた舘さんに置いていかれないようにと慌てて帰り支度を済ませた。
廊下を歩きエレベーターに乗ると聞こえてきた着信音に、再び携帯を取り出した舘さんは画面を見ると満足そうに笑い携帯を仕舞った。
阿「ねぇ、めっちゃ気になるんだけど。」
宮「阿部は気にしなくても大丈夫だよ。」
ベルの音と共にエレベーターの扉が開く。
教えてよ。と舘さんに詰め寄っても上手くはぐらかされ、自分の声が静かなロビーに軽く響いた。
ふと正面入口に視線を向けると自然と歩みが止まった。
ガラスの自動ドアの向こう側。
夜の帳が降りた街。
街頭が街行く人を照らし、人が行き交う歩道にモコモコのコートを着た見慣れた姿がそこにあった。
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作者名：ひな | 作成日時：2020年5月31日 3時
