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No.67 ページ17

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渡「俺は、何だよ。」

阿「俺が…Aを、壊したから…今のAは脆いからっ、ちょっとの事で壊れる…だからっ!」

渡「だから?何処に行くにもお前が判断して、あれは良いこれは悪いって決めてくの?そこにAの意思ねえだろ。阿部ちゃんさ、Aのことあやつり人形にでもしたいわけ?」

阿「お、れはっ!」

渡「阿部ちゃんが今Aしてることはさ、大地がしてきた事と同じだろ。」







俺が大地と一緒…?

ふざけんな!


あんな奴と一緒にするなと翔太に掴み掛かろうにも舘さんに抑え込まれてそれは適わなかった。


翔太が俺を見据える目もさらに鋭さを増した。


渡「殴りたきゃ殴れよ。でもな、もう一度言うぞ。大地は暴力と言葉でAを縛り付けて動けなくして、阿部ちゃんは優しさっていう真綿で締め付けて身動きを取れなくさせてる。」



これの何処が違うんだよ。



そう言い切った翔太の目を見れなくなった。

違うと叫びたいけれど、その言葉がどうしても喉から出てこない。

翔太が言ったことは…本当だから…



宮「阿部、優しさを間違えちゃダメだよ。護るのと束縛は別もの。分かった?」

阿「うん、ごめん……」


翔太が深く溜息をついている。


宮「じゃあ、早めに謝っておいで。」

阿「へ?」

渡「へ?じゃねぇよ。Aに怖い印象持たせたまんまでいいの!」

阿「いや、です……」

渡「なら早く行って謝ってこいよ。トチ狂って悪かったって。」


待っててやるから行け。と少し強めに背中を押された。


阿「ありがとう、行ってくる。」


駆け足でマンションの中に入りAの部屋をめざした。

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作者名:ひな | 作成日時:2020年5月31日 3時

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