伸ばした手を２ (ページ16)

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No.66 ページ16

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部屋の中で倒れていたら？

誰にも助けを求められない所で何かあったら？

胸を襲う憤りをぶつけるようにAを問い詰めた。

お前を護るって決めたのに

それなのにお前は何やってんの？

何でそんな勝手なことしてんの？

横から舘さんとふっかの手が伸びてきてAから剥がそうとしたけど

それを振り払いAをまた問い詰めようとしたところで後頭部に鈍い痛みがはしった。

流石の痛みにAを掴んでいた手を離してその場に蹲った。

渡「いってぇ…」

と背後から翔太の声が聞こえた。

渡「お前さ、何トチ狂ってんの。ふっかA部屋まで連れてってやって。」

深「ん、A行ける？大丈夫？」

『う、ん……』

ふっかが俺とAの間に割り込み、Aを連れていこうとするから慌てて立ち上がろうとしたら後ろから引っ張られた。

宮「阿部、いい加減にしろ。」

渡「ふっか早く行って……A怖がってる。」

その言葉に頭を殴られたのとは別に衝撃が走った。

Aが怖がってる…何に？

渡「阿部ちゃんさ、Aをどうしたいの？」

阿「どうって、俺はただ…Aを護ってやるって……だから、」

宮「護るのと雁字搦めにするのは訳が違うよ。危ないことから遠ざけて無菌状態にしたい？」

阿「でもっ、俺は！」

勢いよく立ち上がり翔太や舘さんに向き直った。

仁王立ちしていた翔太の顔は今までにないほど厳しい顔つきをしていて

思わず生唾を飲み込んだ。