No.51 ページ1
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亮平くんが座敷から姿を消すとさっくんがグラスを片手に隣に座り込んできた。
『亮平くん帰ってきたらうるさいよ?』
佐「へーき、へーき!」
にゃはっ。なんて笑ってるさっくんはもういい感じに出来上がっているんだろう。
佐「それよりAさ、ソロの話蹴ったんだって?」
ああ、その話かなんて指先でグラスを弄っていると俺も聞いた、俺もとみんなが話に加わってきた。
その視線に苦笑いを浮かべて一呼吸。
あれは入院して暫くたった頃だろうか。
秀明くんと一緒にジャニーさんがお見舞いに来てくれたと思ったら頭を下げて謝罪をされた。
申し訳無かったと事態は把握していても私たちなら余計な手をかさずとも解決できる。
でも結局こんな身体になるまで追い詰めてしまったと。
秀明くんにも私にも申し訳無いことをした。
ひとりなら余計なストレスは掛からない治療にも専念できる、だからソロにならないかって。
『私ね、そのお話を聞いたときに目の前真っ白になっちゃったの。私の存在価値が無くなっちゃった気がして……茉莉と陽菜が居たから私はここまでやって来れたし、ジャニーさんには感謝こそすれ、恨みも不満もなんにも無いのにって。』
それにまだ皆と一緒に歌ったり踊ったりしたい、ソロになっちゃったら一人だもん。と伝えれば少し目を見開いたあと穏やかに笑っていた。
穏やかで、でもそんな穏やかな空間に自然と笑えて来た頃。
襖を一枚隔てた向こう側で
何かが割れる音と誰かの怒鳴り声が聞こえてきた
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作者名:ひな | 作成日時:2020年5月31日 3時