No.81 ページ31
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『それでね、診察の時に同じことを先生に伝えたらね?』
─ その人は、身体を壊した原因も何もかもを知った上でのその言葉だったんじゃない?
『そう言われて、何だか臆病になってた自分が可笑しくて……会って話したかったんだけど、やっぱり根性無しだから…亮平くんに直接時間あるかなって聞けなくて。』
渡「だからふっかに聞いたんだ。」
うん。と眉尻を下げてAは笑った。
深「Aは臆病でも根性無しでもねぇよ。お前は根性ありすぎなの。今回みたいにもっと周りに頼って良いんだよ。大地の事にしても、お前は自分が悪いからって言うけど…そうじゃない。俺らにだってそれぞれ悪かったところがあるんだよ。」
まっすぐAを見つめれば、目を見開いて固まった。
陽「ふっかの言う通り私たちにも落ち度はあったよね…あんなに近くに居たのに。」
茉「そうだね…私たちの方が年上なのにAに甘えてた。ごめんなさい。」
『陽菜…茉莉…』
それぞれの謝罪にAの目に涙が溜まりポロポロと流れ出し、佐久間が慌て気味に鞄からタオルを取り出した。
『ごめん、泣くつもりなんて……』
茉「手で擦ると目腫れちゃうから。」
岩「これから告りに行くやつがぐちゃぐちゃな顔でどうすんだよ。」
佐「いや、それはそれで萌える。」
「「「さっくん〈佐久間〉黙れ。」」」
佐「おぉ…」
そんな俺たちのやり取りが面白かったのかタオルを握ったまま泣き笑いするA。
それにつられて俺たちの口端も自然と上がっていった。
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作者名:ひな | 作成日時:2020年5月31日 3時