No.79 ページ29
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夜の冷えた風に身震いをして、黄色いネオンが輝く店の自動ドアを潜ると、店員さんの元気な挨拶と美味しそうな匂いが鼻腔を擽る。
注文をして少し待つとあっという間にトレーに揃った商品。
相変わらずお仕事の早いことで。とトレーを手に店内を進めば一画に見慣れた姿を見つけ近寄った。
『あ、辰哉くん』
一番先に俺を見つけたAが笑顔で手を挙げ、それに釣られるように照や佐久間たちがこちらを向いて手を挙げた。
テーブルにトレーを置くと同時に手を伸ばしてきた陽菜や茉莉に、沢山頼んでおいて良かったと思いつつ、上着を脱いだ。
Aから電話が来たのは部屋に遊びに行ってから数日経った昨日の夜。
『明日、亮平くんと現場一緒だったりするかな?』
どうした?と声を掛ければ、なんと阿部ちゃんへの告白の返事をしたいからと。
そういう事ならばと、電話をきり照に連絡すれば俺も違うとじゃあ佐久間に……とまるで伝言ゲーム。
陽菜と茉莉からは絶対行かせません。と訳の分からない返事がきたもんだからスルーしたのに何故お前らは此処にいる?
宮「明日なら阿部と一緒にラジオあるけど、何事?」
舘さんの返事に、こういう事でと説明すると
宮「どうせなら阿部驚かせない?」
なんてノリノリで返事を返してきたからまた伝言ゲームで伝えると当事者であるAでさえ乗り気に。
うん…A、お前はそういう奴だったよ。
そして21時を過ぎたこのお店にそれぞれバラバラに集合したわけだが。
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作者名:ひな | 作成日時:2020年5月31日 3時