伸ばした手を２ (ページ20)

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No.70 ページ20

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『亮平くん？どうかした？』

阿「ねぇ、そう思う相手ってさ…好きってことに、なるの？」

『まぁ一般的には。え、誰かいるの？』

動かなくなった亮平くんの背中に触れると大袈裟なほど跳ね上がりこちらまで驚く。

阿「お、俺帰る！」

『えっ、ちょ…亮平くん？』

阿「あ、いや…何でもないよ！とりあえずまた連絡する！」

おやすみと慌て逃げるように出ていきパタンと閉まった玄関のドアを茫然と見つめた。

あの慌てっぷりはなんだったんだろうか

転んでなきゃいいけど、と鍵を閉めた。

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Aの部屋から飛び出し、階段を使い一気に駆け下りると翔太の車に近寄る寸前に足がもつれ転びかけ、地面に座り込んだ。

やけに煩い鼓動、激しい息切れのなか車のドアが締まる音がすると近寄る足音に心配そうな顔でしゃがみこんできた三人。

宮「阿部大丈夫？」

渡「なに、とうとう嫌われた？」

深「こら、」

阿「ち、ちがっ…違くて！」

とりあえず立てる。と差し出してくれたふっかの手を掴み立ち上がった。

渡「で？」

阿「ちゃんと…謝ってきた。」

宮「良かったね。」

阿「ありがとう…じゃなくて、さ」

深「他に何かあった？」

ふぅ、と息を吐き出して心を落ち着かせた。

阿「俺、Aのこと…好き…なの、かも？妹とか、そんなんじゃなくて…」

自分の気持ちに自信がもてなくて疑問形で言った言葉に、一拍おいて返ってきた言葉

「「「今更かよ！」」」

馬鹿じゃねぇのマジでと翔太はイライラしてるし、ふっかは頭を抱えてる

舘さんに至っては苦笑いして背中を叩いてきた。