伸ばした手を (ページ50)

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No.50 ページ50

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滝「これから先、お前らがAと関わっていくなら…これだけは覚えていて欲しい。何かの拍子にそんな風になったとしても、お前らを拒否しているんじゃなく…記憶に残っている大地を見ているんだって。」

記憶に残っている大地か…フラッシュバックしてしまいそうなほどなんてと

見えなかったAの心の深いところをなんだか知れたような気がしたけれど

果たしてそれを取り除いてあげられるだけの力が俺らに、俺にあるのだろうかと少しだけ不安になった。

阿「でも、なんでこの話を俺に？」

滝「……深澤たちから阿部が適任だろうって言われてね。」

阿「そう、ですか…」

滝「うん、本当は俺がって思ってはいるんだけど時間の余裕があまり無くてね。忙しいだろうけどAのフォローしてやってくれって頼んだら阿部が良いだろうって」

今の阿部は誰よりもAのことを守りたいだろうから、って。

それに茉莉や陽菜は元々Aに激甘だったし、戻ってきたら来たでグズグズに甘やかすだろうからダメ人間にするって。

確かにあのふたりなら有り得ると思ってしまった。

しかし、まさかふっかがそんな風に思っていてくれていたなんて思わなかったな。

そんな滝沢くんとの話を思い出して少し泣きそうになった。

阿「ちょっとお手洗い行ってくるけどAに変なもの食べさせないでよ……特に佐久間！」

佐「……俺だけ名指し。」

席を離れる際に釘をさせば戻ってくんなやら保護者かやらとんできたけど、はいはい。と言いながら座敷を出た。