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No.31 ページ31
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でもその痛みのおかげか食欲も余りわかなくてちょこっと体重が落ちた。
その事を佐久間に話せば頭を叩かれた。
─バッカじゃないの！そんな事Aが知ったらどう思う？阿部ちゃんはAに罪悪感でも持たせたいの？─
それからというもの、連日メンバーにご飯に連れていかれ逆にちょこっと太ってしまったけれど。
そしてまた、ひとつ息を吐き出してスタジオに向かった。
少し冷えた指先が冷たくて両手を擦り合わせれば、目に入ったのはAと前に来た雑貨屋。
ショーウィンドウに飾ってあったスノードーム。白いツリーがLEDで色々な色に変わるのをマフラーに顔を半分埋めた状態で子供のように魅入っていた。
クリスマスも近かったこともあって買ってあげたら凄く喜んで、その後あそびに行ったAの部屋にはそれが飾られていた。
ひとつ思い出せば次々と蘇ってくるAと過ごした日々にあんなに楽しかったのに
寂しい、虚しい、悲しいと感じずに居られたのはきっと隣にAが居たからで
ショーウィンドウの中はハロウィン仕様に飾られていた。
街路樹の無効に見える青空がやけに遠い気がする。
あの日、泣いた時からやたらと感傷的になってしまい、暫くはちょっとしたことで涙脆くなっていたはずだけど、この枯葉たちのように枯れてしまったようだった。
自業自得だなんて分かってる。
信じなかった俺が悪い。
でも…
でもさ…
それでも…
阿「A、寂しいよ…」
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作者名：ひな | 作成日時：2020年5月24日 23時
