伸ばした手を (ページ25)

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No.25 ページ25

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普段なら賑やかなはずなのに、舘さんの部屋に集まった俺らはテーブルを囲んでいるだけで何も話そうとはしなかった。

重苦しい空気だけが漂う。

呼び出したのはふっかだった。

集まれたのはAが倒れてから２日後。

テーブルの上に料理が並んでいたけれど、誰も手をつけず動かない。

いつもなら陽菜とAが食い意地を張ってるのにな、なんて考えながら

抜け殻のように項垂れているふっかの脇を肘で小突いた。

良い加減、この空気はどうにかしたかった。

岩「ふっかが集めたんだろ？早く言え。」

深「あの、Aのことなんだ、けど…」

その言葉にさらに場の空気が重くなったように思う。

みんな何かしら思うところがあるのだろう。かくいう俺もだけれど。

あの時、あいつの腕を掴んだ時に感じた異常。

そして、そのあと産まれた疑惑。

その疑惑を本人に問いただしていれば。

この状況も変わっていたかも、なんて思ったりもするが

それこそ後悔先に立たず、だろう。

深「実は俺、知ってた。大地がAに手を上げてた事も滝沢くんとAが従兄妹ってのも。」

「「「は？！」」」

舘さん以外の視線が一気にふっかに集まった。