No.18 ページ18
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元カノを心配する優しいやつに、なんてと思ったが女性は物凄い形相で大地を睨みつけていた。
そしてどことなく、スタッフさんたちの大地を見る顔も険しい。
瑞「………あんたがこの子に気安く触れるんじゃないわよ！」
大「いったいなぁ……そんな邪険にしなくても良くない？」
こちらに背を向けている大地の表情は見えないけれど声色は酷く冷たかった。
そんな大地の声にAを抱えていた女性の肩が跳ね、さらにキツくAを抱きかかえた。
瑞「わた、しは……私はあんたから逃げ出すためにこの仕事を手放した！幸せも掴めたし、やっと心も落ち着いたの！でも、Aちゃんはちがう！こんな……こんな身体になるまで、あんたのせいよ！」
大「あのさぁ、二股かけられたのは俺の方。非難されるのは俺じゃなくてそっちだから。」
大地の言葉に周りから「そうだ。そうだ。」と声が上がる。
すると何処かに連絡していた滝沢くんが近寄ってきて、大地の目の前に立つと鋭い眼光で睨みつけた。
滝「で、その二股の相手が俺だって？」
大「そうでしそ、だって俺みたんですよ？滝沢くんがAを抱きしめてるっ！」
大地の言葉がすべて吐き出される前に、滝沢くんは大地の胸ぐらを掴みあげた。
近くにいたマネージャーたちが何人か滝沢くんに駆け寄っていったが、滝沢くんはスタッフさん達に手をあげ
滝「大丈夫、腹は立ってるけど自分を見失ったわけじゃないよ。」
震える声でそう静かに制した。
滝「大地、お前は俺がAの相手だっていうけどね、それは有り得ない。」
大「はぁ？だって俺はちゃんと！」
滝「確かにAを抱きしめたことは何度もあるよ。」
大「ほら見ろ！やっぱり」
滝「従兄妹としてな。Aの事は赤ちゃんの頃から知ってる。母方の可愛い従兄妹を心配してだけどな。」
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作者名：ひな | 作成日時：2020年5月24日 23時
