◇42 ページ43
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「…家族が、いないんだ」
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第一声は、あまりにそっけなく俺の耳に届いた。
翔「いないって…？」
「親も兄弟もいない」
翔「え…じゃあ…」
「施設で過ごした時間が一番長い」
翔「施設…」
施設って、児童養護施設とか…そういうことだよな？
翔「親戚とか…いないの？」
「いる。けど…よく知らない」
翔「そ、っか…」
こういうときのリアクションの正解が分からない。
家族とうまくいってないんだろうな、くらいの想像はしてたけど。
家族が“いない”だなんて…
翔「あの……」
「…ん？」
翔「聞いていいのか分かんねぇけど…ご両親は？」
一瞬、表情が固まった。
でも次の瞬間、あまりにも切なく、小さく笑って言った。
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「…お母さんは、私が10歳の時に死んじゃった」
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…10歳？
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翔「…え、お父さんは……？」
俺の問いかけに、お父さん…と小さく小さく呟いたその声は、熱のない冷たいものに感じた。
「…いるよ。…どっかに」
翔「どっかに…」
静かに語るAだけど、その心には青色の炎が音もなくメラメラと揺れているよう。
どこかそんな凄みを感じて、俺は言葉を無くす。
「知ってる。名前も、何をしてるかも、全部。でも、会ったことはない」
青い炎は、燃え続ける。
「お母さんを捨てたの。その人は。散々信じさせて、裏切ったの。そのせいでお母さんは……」
そして、酸素を食べ尽して、消えていく。
「…お母さんは…―――」
そこまで言って、Aは黙り込んだ。
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いい。
もういいよ。
今、すべてを伝えてくれなくても…
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翔「…A」
「…ごめん」
翔「なんで謝るの？」
「…やっぱ…」
やっぱ怖いや、って。
アハッて笑った。
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翔「いや、ありがと」
「…？」
翔「話してくれてありがと」
驚いたように俺を見たその目が、一瞬で涙で覆われる。
それを隠すように、またアハハッて笑う。
「ずるい、それは〜！」
翔「何がだよ」
「ありがとうはズルい！ダメ！」
翔「なんだそりゃ(笑)」
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本日2回目の泣き笑いを見せたAの表情はとても柔らかくて
それもまた、初めて見るAだったから。
ちょっと嬉しくなった。
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*-eni-*(プロフ) - |･ω･)花粉症デビュー！？こっちに来ちゃう！？(笑)もぉー目がカユカユでねイヤよ(つд；) 和くん本気モードに入ったのねぇ〜そして、ちょとチャラい潤くんっ♪会える！？楽しみっ♪(ﾉ∀｀*) (2017年2月7日 20時) (
レス) id: aaada8bfdf (このIDを非表示/違反報告)
ぽろ(プロフ) - *-eni-*さん» 翔さんもカズくんもあざといっていうか可愛めですよね、ふふふ笑笑 カズくんずるい！！！！！！笑 (2017年2月7日 17時) (レス) id: f1c024cd74 (このIDを非表示/違反報告)
*-eni-*(プロフ) - ちょっと自分の事を話してくれた主人公ちゃん…。好きな方となんか焦る翔くんに私も笑った( ﾟεﾟ；)(笑) 首をかしげてキュルンってして和くんっ……それされたらしゃべるよね…(*´艸｀*) (2017年2月3日 1時) (レス) id: aaada8bfdf (このIDを非表示/違反報告)
ぽろ(プロフ) - *-eni-*さん» あのモデルー！何を言ったんでしょう(-.-)y-., o O顔がどタイプ〜潤くーーーん！(笑) (2017年2月3日 1時) (レス) id: f1c024cd74 (このIDを非表示/違反報告)
*-eni-*(プロフ) - 主人公ちゃん何を言われたんだぁ！？( ・`д・´)全くあのモデルめぇ〜！(笑) うんうん♪あるよねぇ〜顔がねっドタイプな人(*´艸｀*) (2017年1月22日 1時) (レス) id: aaada8bfdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽろ
| 作成日時：2016年12月30日 0時
