◇38 ページ39
んー、と唇を尖らせたニノが、ボソリと言う。
和「爆発しちゃったんじゃない？今日は」
翔「…爆発？」
和「だってちょっと前まで深夜に道端で他の子とたむろってたような子だよ？いきなりこんなでっかい家に住んで綺麗な服着て、言葉遣いだ〜所作だ〜ってやらされて。パーティの雰囲気なのか、飲まされた酒のせいなのかわかんないけど…なんかが弾けちゃったんだろうね。頭ん中キャパオーバーになったって不思議じゃないでしょ？」
翔「…そうさせたきっかけはどこのどいつ？」
和「あ、俺だったっけ？」
ケタケタと笑うニノの無駄に綺麗な横顔がものすごく恨めしい。
和「まぁ、それでもやるって言ったのは本人だからね」
翔「途中で投げ出すこともサボることもなかったしな」
和「そこが不思議っちゃ不思議だけど」
翔「そう。それなんだよ。どうしてこんなにあいつが本気になるのかが実際よくわかんない」
和「…んー」
翔「口悪かったりうるさかったり、独りで中庭でボーっとしてたり、本番じゃあんな風に委縮してるし？…どれが本当のあいつなんだか」
.
俺の言葉に、黙って考え込んだニノ。
数秒の沈黙の後、静かに声を漏らす。
和「…思ったらさ」
翔「ん？」
和「俺ら、パー子のことなぁーんも知らないよね」
…今更？
いや、でも確かに。
和「家族のことも、生い立ちのことも、なんも」
翔「あいつ…喋りたがらないだろ」
和「…なんか、あんのかね…？」
何となく、二人してベッドの上でスースー眠るAに目をやる。
翔「こいつのことをもっとちゃんと知ろうとしないと…なんもできないのかもな」
そうかもね、と呟いたニノは半分興味がなさそうだった。
・・・・・
ニノが帰ってしばらくした頃。
机に向かっていたらゴソゴソと音がして、Aが目を覚ました。
「ん…」
翔「よぉ」
「しょーさん…？え…？」
翔「お前覚えてねぇの？」
「なにが……ッツ」
起き上がった途端に顔をしかめる。
「頭いた……」
翔「水飲む？」
「…のむ…」
コップに水を注いでやると、ゆっくりと飲んではハァとため息をつく。
「……なんも、覚えてないや…」
翔「トイレ行ったのは？」
「それは覚えてる。その後サリさんに飲もうって誘われて…」
翔「その後は？」
「…わかんない」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1577人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
*-eni-*(プロフ) - |･ω･)花粉症デビュー！？こっちに来ちゃう！？(笑)もぉー目がカユカユでねイヤよ(つд；) 和くん本気モードに入ったのねぇ〜そして、ちょとチャラい潤くんっ♪会える！？楽しみっ♪(ﾉ∀｀*) (2017年2月7日 20時) (
レス) id: aaada8bfdf (このIDを非表示/違反報告)
ぽろ(プロフ) - *-eni-*さん» 翔さんもカズくんもあざといっていうか可愛めですよね、ふふふ笑笑 カズくんずるい！！！！！！笑 (2017年2月7日 17時) (レス) id: f1c024cd74 (このIDを非表示/違反報告)
*-eni-*(プロフ) - ちょっと自分の事を話してくれた主人公ちゃん…。好きな方となんか焦る翔くんに私も笑った( ﾟεﾟ；)(笑) 首をかしげてキュルンってして和くんっ……それされたらしゃべるよね…(*´艸｀*) (2017年2月3日 1時) (レス) id: aaada8bfdf (このIDを非表示/違反報告)
ぽろ(プロフ) - *-eni-*さん» あのモデルー！何を言ったんでしょう(-.-)y-., o O顔がどタイプ〜潤くーーーん！(笑) (2017年2月3日 1時) (レス) id: f1c024cd74 (このIDを非表示/違反報告)
*-eni-*(プロフ) - 主人公ちゃん何を言われたんだぁ！？( ・`д・´)全くあのモデルめぇ〜！(笑) うんうん♪あるよねぇ〜顔がねっドタイプな人(*´艸｀*) (2017年1月22日 1時) (レス) id: aaada8bfdf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぽろ
| 作成日時：2016年12月30日 0時
