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雅「え、な、泣いて…？」
やだなぁ〜はいティッシュ、って笑いながら言ってくれるけど
涙を流していたことに自分自身があんまりにも無自覚だったからびっくりして
差出してくれたティッシュを受け取ることができない。
「どうしたの？大丈夫？もう〜(笑)」
雅「ご、ごめん…」
「泣き虫だなぁまぁくんは」
そのうちいっちゃんにも笑われる日が来るよ〜なんてケラケラ笑ってる。
グズグズ流れてくる涙も鼻水も止まらないんだけど
Aがあんまり嬉しそうに笑うから僕も面白くなっちゃって
顔中がぐちゃぐちゃ。
.
チーンって鼻水をかんでたら、「あ、そうだ」ってAが立ち上がった。
「ほら、見て…これ」
ティッシュから顔を上げてAを見たら、その手にはスウェードの深い青の小さな箱が。
蓋を閉じたまま大事そうに両手にそれを乗せて、僕に差し出す。
雅「これ、って…」
「開けていいよ」
雅「え、いいの？」
「うん」
ズボンでゴシゴシ手を拭いてからそぉっとAの手からそれを受け取って、自分の手でふたを開けてみる。
…なんだろう。めちゃくちゃ緊張して手が震える。
雅「うわ……綺麗。」
蓋を開けてた真ん中に鎮座しているのは、シンプルな銀色のリング。
その真ん中にはキラリと光るダイヤモンドが。
雅「これ…パカッて？」
「ふふ(笑)そう、パカッて」
雅「…すげぇ〜…翔ちゃんらしいや」
「そうかな？(笑)ほんとはね、その場ではめてくれたんだけど」
雅「翔ちゃんやりそう…」
「“雅紀には俺がちゃんと挨拶するからそれまで我慢して”ってまた外しちゃったの」
雅「そっか…。じゃあ…」
「ん？」
雅「つけてみなよ。もういいんでしょ？」
「あ…うん」
僕が持つ箱から丁寧にリングを取り出して、自分の薬指にはめるA。
スッと入ったそのリングは、Aの指の上で輝きを増す。
まるでそこにいられることを喜んでるみたいに。
.
「どうかな？」って手の甲を僕に向ける。
綺麗だよ、似合ってるよって言ってはみたけれど…
やっぱり、寂しくて。
でも、寂しいなんて…なんか、言えなくて。
雅「……A？」
「ん？」
雅「…幸せになってね」
それしか、言えなかった。
.
「大丈夫」
雅「…？」
「翔ちゃん、約束してくれたもん」
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やっち(プロフ) - 凄く良かったです。ありがとうございました (5月9日 21時) (
レス) @page46 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
希梨(プロフ) - 一気読みしてました気づいたらそれと、手紙の所で案の定大号泣笑すんごいボロ泣きしてましたけど凄い兄弟愛に溢れた作品だなと思いました！これからも頑張って下さい。 (2019年9月30日 22時) (レス) id: d44dfa3d93 (このIDを非表示/違反報告)
ぽろ(プロフ) - ミサさん» ありがとうございます(´；ω；`)一気に読んで頂いたんですね(о´∀`о)少しの謎を残して終わってしまいました！笑 こちらこそ、お読み頂きありがとうございました！！ (2018年1月24日 11時) (レス) id: b5f3846dcd (このIDを非表示/違反報告)
ミサ(プロフ) - 昨日からずーっと今まで読んでいました！！二宮くんが誰とどうなったのか！そこだけがものすごく気になってわくわくです！幸せなお話ありがとうございました！！ (2017年12月2日 2時) (レス) id: b742a9d158 (このIDを非表示/違反報告)
ぽろ(プロフ) - ひろねえさん» コメント嬉しいです！そうやって色んな気持ちを抱きました、と言っていただけるととても書き甲斐があったというか、とにかく嬉しくなります（ ; ; ）続編！出来たらいいなぁなんて思っております！未定ですが、いつか(*^_^*)ありがとうございます！ (2017年9月25日 23時) (レス) id: b5f3846dcd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽろ
| 作成日時：2016年10月29日 1時
