あの子みたいに可愛くはなれない。〔紅二点〕

みずいろ。 ページ18

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side 水島








Aちゃんは本当にかっこいい人。












スカウトされて事務所に入るか悩んでいた時。



お母さんに｢七葉Aちゃんっていう女の子もいるよ｣って言われて初めてAちゃんを見た。





女の子なのにジャニーズにいることに違和感の無いかっこよさに憧れ背中を押された。


















「七葉と違って可愛い系」

「七葉はもはや男。実質水島が紅一点」

















Aちゃんと同い年くらいの先輩にそんなことを言われることもあった。





当時はかわいいではなくかっこいいって思われたくて必死で、



比べられてかわいいと褒められても嬉しく無かった。
















『ごめん。かわいいって言われるの嫌だった？』



















SnowManのライブを見学に行った後、皆さんにかわいいって言われていつもみたいにニコニコしてたら



初めて会ったAちゃんにみんなには聞こえない声で言われた。

















「Aちゃんみたいにかっこよくなりたいんです。ジャニーズだから、かっこよくなりたい」

『そっか…。ごめんね、かわいいも嬉しく無いことあるよね』















困ったように、申し訳なさそうに笑ったAちゃんは羨ましすぎるくらいにかっこよかった。
















「どうしたら、Aちゃんみたいにかっこよくなれますか？」

『もう十分かっこいいよ。その気持ちがあれば絶対にもっとかっこよくなれる』

「でも…」

『じゃあ一緒にかっこよくなろう。私もまだまだだから』

「…はい！なります！」
















この気持ちに気づいてくれたことも、


嫌でも比べられる私の存在を疎ましく思っていないことも凄く嬉しかった。

















『これは私のエゴだけど、かわいいは捨てないでね。それは美々ちゃんらしさでもあるし、私には無いものだから』

『私は今さらかわいくはなれない。でも美々ちゃんは両方持ってるジャニーズになれると思う』



















それからは｢かわいい｣って言われることも嫌じゃなくなった。



信じてくれたAちゃんを裏切りたく無いから”かわいい”にも”かっこいい”にも全力になった。











そしたらSnowManに入ることになって、隣に並べるようになった。

















『この表情かっこいい』

『今日もかわいい』

















今は、Aちゃんに言われるかわいいとかっこいいが1番嬉しい。















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