物理講義室の恋 ( yb×in )

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「やっとこっち見た」



ふにゃり、といつもの笑顔。





「‥‥やぶ‥あの、ごめ、」



いつも不安になってごめん。
ちねんくんに嫉妬ばっかりしてごめん。





そう謝ろうとしたのに、言えなかった。

彼の唇が俺のそれを塞いだから。






「ん、んん、や、ぶっ」


「謝んなくていいから」


「へ？」


「慧が不安にならないくらい愛せばいいだけの話だろ？」





にやり。

あ、またさっきの悪い笑顔。



こんなかっこいいことをあの笑顔で言うんだから、ずるい。






「ん、‥不安にさせないで、」


「‥それに、嫉妬してるのは俺も同じだから」


「え？」




嫉妬？
この薮が？







「まあ大ちゃんは幼馴染だから名前かもしんねーけどさ、中島のこと裕翔って呼んでるだろ」


「あ‥‥」


「それにお前、モテるし。...特に男に」




....モテる？やぶがじゃなくて？





「あー、わかんなくていいから！...とにかく、嫉妬してるのは慧だけじゃなくて俺も同じだよ」




がしがしと雑に頭を撫でられる。




さっきまであんなに余裕そうな顔してたくせに、今は俺から目を逸らして口元を手のひらで覆っている。



大きな手の隙間から覗く、赤くなった頬。







「こうた」


「うわ、なんだよ急に」




我慢出来なくて、彼の膝の上に勢いよく乗った。






「宏太、すき」



受け止めてくれる彼が好き。






「俺も好きだよ、」



俺のことを好きと言ってくれる彼が好き。







首に腕を回すと、優しくキスが落とされる。



ちねんくんに浮気しないでね、という意味を込めて愛しい目の前の彼に唇を押し付けた。








fin.

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