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青の彼 ページ21

チュッ…チュッ……


仕事から帰ってきてから
今までずっとキスしてくる海くん。

『んっ…チュッ』


「ちょっ…ンッ……かぃ…」


『んー??』


首を傾げながら
ちょっとこっちを見て
ニコッと微笑んで

またキスを落とす。



短いキスの嵐に
ついていくのが必死で。


もどかしくて、
もっとちゃんとしてほしくて
でも彼は短いキスを繰り返す。



『んっ………チュッ…』


「かぃ……待っ…て…」



帰宅する途中で買ってきた
コンビニのアイス、溶けちゃった…
なんて考えながらも
彼の焦れったいキスは終わることはなくて。



「…ぃ…海ってば!!」


やっとのことで引き離すと
すごく残念そうな顔をする。


その顔に弱いんだよなと思いつつ
何が彼をそうさせてるのか気になって。


「なんで、今日は
 こんなキスの嵐なんですか?」

少しわざとらしく聞くと


『……俺は今日休みなのに
 Aは仕事だったじゃん?
 家にいても
 なんもやることなかったし、
 寂しかった…超寂しかった。』


子犬のような目で見つめながら
話す彼が可愛くて仕方なくて

頭をワシャワシャっと撫でてから
そっと彼の頬に手を添える。


「寂しかったから、キスしたの?」


『うん…。
 あと、俺もこんな思い
 お前にさせてんだなって。
 そう思ったから今までの埋め合わせ。』


彼の口から紡がれる一つ一つの言葉が
私へと届き、心臓が高鳴る。


「今まで寂しかったって
 私が言わなかったこと、
 ちょっと後悔したかも。」




そう言って微笑み、
彼の唇へ私の唇を重ねあわせる。



優しく…甘く……



ゆっくりと一度キスをして
離れて見つめあうと
お得意のニコニコ笑顔の彼が目の前に。



『Aからキスされるの好き。
 ドキドキする〜!』


「私もいつもドキドキしてる。
 海くんとキスするとき。」



お揃いだね。なんて笑い合って
また短いキスを繰り返しはじめた彼。



唇に、瞼に、そして頬に。


いろいろな場所へと降ってくるそれが
少しくすぐったくて。


彼がもう一度、私の唇に触れた時
私は彼の首に手を回して
自分から長いキスを求めた。


一瞬驚いた彼の息遣いを感じながら
私の要求に答えてくれる。



『ンッ……チュッ…んっ……』


「……ッ…んっ……」


長くて少し苦しいけど
さっきまでとは違うキスに
また幸せを感じて。


お互いが時間を忘れて
お互いのキスの時間に溺れていった。



fin.

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設定タグ:超特急 , 短編集   
作品ジャンル:恋愛
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チャイ(プロフ) - 弥空さん» そう言っていただけて、嬉しいです。本当に、リクエストありがとうございました!! (2016年6月3日 8時) (レス) id: a9ca310c42 (このIDを非表示/違反報告)
弥空(プロフ) - ありがとうございました!とっても良かったです! (2016年6月3日 6時) (レス) id: 156dac7b94 (このIDを非表示/違反報告)
チャイ(プロフ) - 弥空さん» リョウガさんが、先生!なるほど!一生懸命書かせていただきます!! (2016年6月3日 0時) (レス) id: a9ca310c42 (このIDを非表示/違反報告)
弥空(プロフ) - リョウガさんが教師で生徒との秘密の恋をするという話が読みたいです! (2016年6月2日 23時) (レス) id: 156dac7b94 (このIDを非表示/違反報告)
チャイ(プロフ) - 弥空さん» リクエストありがとうござます。どのような感じとかありますでしょうか?もしございましたら、教えてください! (2016年6月2日 21時) (レス) id: a9ca310c42 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:チャイ | 作成日時:2016年5月30日 21時

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