-BULLET TRAIN- Sweet short story

紫の彼(1) ページ12

(リクエスト:紫の彼✕先生)


もうすぐ私の彼氏さんが
授業をするために教室に来る。

そう、私の彼氏は
私の先生でもある。


先生の化学の時間は


私が大好きで、大嫌いな時間。




ガラッ

ドアの開く音と共に始まる

ドキドキで、退屈な時間。



船津先生は大好き。

でも、化学は嫌い。

嫌いだし、難しい。



いくら大好きな先生のイケヴォでも

内容が入ってこないし

授業中、一切目も合わせてくれない。



『〇〇が△△と結合することにより…』



授業の声が、遠のいていく。


化学の時間は

私にとって
周りにバレないように
船津先生を見つめる時間。

でも、今日はなぜか
見ていたい気持ちよりも
眠りたい気持ちが大きい。


ひとつ、大きくあくびすると
一気に眠りの世界へと私は誘われた。




『こらー。A……。
　起きろー、いい加減。
　授業終わったぞー』



船津先生の声に目を覚ます。



目の前には

呆れた顔の船津先生。

そして周りには
クスクス笑う生徒たち。



「…ん？え、あれ。授業は？」


『はぁ……。授業は終わり。
　お前、俺の授業で寝るとか
　ほんと、いい度胸してますね〜』


船津先生がお得意な
わざと感満載の言い方。


「え、あの、寝るつもりなくて。」


『そっか〜。
　んじゃ、ひとまずAは
　放課後、理科準備室来て。
　寝た罰として、資料まとめ手伝ってもらうから。
　ちなみに？拒否権はありませーん。』


そういうと
クラスに号令をかけ
さっさと教室から出て行ってしまった。

紫の彼(2)→←感謝とお願い。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す