SJ☆アラカルト 1 ～あいはかわらず～ (ページ7)

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ウニョクの、、、ページ7

突然ふたりが笑い出す。

そして残りのメンバーが一斉に立ち上がって歓声をあげる。
あの震えは、泣いてたんじゃなくて、笑いをこらえていたんだ。

「ヤー！また騙されたな、ウニョク」

トゥギヒョンが満面の笑みで言う。

「嘘に決まってるだろ、僕が引退？そんなことあるわけないじゃないか！SJのリーダーはずっと俺さ！」

その言葉に、僕は涙を流しながらうろたえる。

「え、え、、、？じゃあヒチョルヒョンも、、、？」

そしてヒチョルヒョンも、笑い過ぎて苦しい、といった風にお腹を抱えて叫ぶ。

「当たり前だろ、俺はキム・ヒチョルだぞ、誰かに言われたくらいで仕事を変えたりするか！ウニョク、ドンへ、まんまと引っ掛かったな」

「そんなぁ、、、ぼくも騙されたっていうの？」

ドンへが拗ねたようにフラフラとヒョン達に近寄る。

そして僕はヒョン達に背を向けるようにして涙を拭く、、、

ようにして、対岸に向かって大声で叫んだ。

「行くぞ！スタート！！！」

それを合図に。

メンバーは一斉に対岸に向かって走り出し、ドンへはトゥギヒョンとヒチョルヒョンの手を思い切り引いて川へ引き込んで。
僕はその背中を軽くトン、と押した。

バシャーン！！

ふたりは不意をつかれてすっ転び、ずぶ濡れになって浅い川底に座り込む。

鳩が豆鉄砲を喰らった顔とはこういう顔、の見本のように。

ふたりは、放心状態でポカーンとしている。

僕とドンへは会心の笑みでハイタッチ&ハンドシェイクをすると、川岸に向かってまた合図を出す。

「さあみんな、頼んだよー！！！」

すると。集まった数百人のエルフが、スタッフから渡された巨大な横断幕を広げ、そこに書かれた言葉を叫ぶ。

「お帰りリーダー、大好きヒチョル！83ライン復活おめでとう！！！」

そして僕が昨日SNSで頼んだとおり。
歌を歌い始めるエルフとメンバー達。
選曲はシンドンヒョンに任せちゃったけどね。

ひと呼吸おいて、ハッとしたように振り返り、僕らを見上げる兄ふたり。

僕は得意げに笑って見せた。