君でなければ (ページ43)

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HELLO ３(YS) ページ43

俺はそっと彼女の手を握った。

「Aさん。

俺、いやたぶんまだお互い良く知らないし、確かなことは言えないけど。

こんな仕事だからすごく迷惑かけるかもしれない。嫌な思いもきっとする。
しかも来週には入隊してしまうから、楽しいこともしてやれないし、何かあっても守ってやることもできない。

だからこれは俺の一方的なお願い。
甘えてるだけってのはわかってる。

ただ。俺さ、これから。
Aさんと知り合ってもいいかな？
まだ愛してるとは言えないから、
付き合ってくれとは、まだ言わないから」

Aの手が熱くなって。
少し赤い顔して、でも困ったように、こう言った。

「ずるいなあ。
私となんてそんなの、もしかしたらあなたの気の迷いなのに。

あなたこそきっとそのうち飽きるわ。
がっかりだってする。

断ったほうが身のためだってわかってるんだけど、できないみたい。どうしたらいいの」

うーん、イエスでもノーでもないこの感じ。
ノーじゃないならイエスでいいのか？
あっ、正直に言い過ぎてやっぱり怒ってる、とかー
だよな、女性に向かって、綺麗じゃないとか愛してないとか、さっきから失言ばかりじゃねえか、俺。

けど。

A「でも、ありがとう。また会いにきてくれて」

俺はその反応に満足して。

YS「良かった。来ない方が良かったとは言われなかったな」

お望みどおり、もう一度布団を頭から被らせてやった。

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その後無事に退院が決まった彼女を病室で待たせて、ジョンジンに連絡をする。

「ジョンジン？うん、そう、終わったよ。
アポジは？うん、そうか。

じゃあ、ちょっと隣で車借りて来てくれるか。
支払い俺がするけど、さすがに真っ昼間の受付には並べねえからさ。ああ、頼んだよ」

部屋に戻ると、Aは、病室のシャワーを済ませてメイクをしていた。

YS「お、やってるね。目は、どうした？」

ちょっと不満そうにしてAは答える。

A「素のまつ毛、少ないのに。何だか更に地味になった気が、、、」

YS「どれ、よく見せて」

ボリュームは少ないけど割と長いまつ毛は、しっかりカールされてなかなか頑張っている。
これ、却って時間かかったんじゃないのか。

顔が近くなり、Aの顔がまた赤くなる。

俺は頑張りまつ毛とAのその様子か可笑しくて、もう笑いが堪えきれなかった。

YS「あっははは！いいじゃん、うん」

あ、思い切り、睨まれた。